■大型門前適正化、調剤マイナス10億~20億か
麻生太郎財務大臣と加藤勝信厚生労働大臣は18日、2018年度予算案の閣僚折衝を行い、医療の技術料などに当たる「診療報酬本体」を0.55%(国費+600億円程度)引き上げることで合意した。医科0.63%増、歯科0.69%増、調剤0.19%増で、技術料割合に基づく医科:歯科:調剤の配分比率は「1:1.1:0.3」となった。調剤の増分は国費ベースで約40億~50億円に相当するとされており、改定の別枠で実施される「いわゆる大型門前薬局に対する評価の適正化」によって約60億円(国費)の削減が見込まれている。両者を差し引くと調剤全体でマイナス10億~20億円(国費)となるため、「調剤0.3」は「表向き維持した」と見ることもできる。
診療報酬の本体部分はプラス0.55%だが、平均乖離率を踏まえて実施される通常の薬価改定によって1.36%(国費1500億円程度)、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の見直しや、長期収載品の薬価引き下げ、費用対効果評価の試行的導入などの薬価制度抜本改革によって0.29%(国費300億円程度)、材料価格を0.09%(国費100億円)それぞれ引き下げるため、診療報酬全体では1.19%の引き下げとなる。
調剤については、医薬品の備蓄の効率性や、医療経済実態調査結果における損益率の状況等を踏まえ、特定の医療機関からの処方箋の割合が高いなどのいわゆる大型門前薬局の報酬適正化を行い、国費で60億円程度の削減を見込む。
診療報酬の個別の点数配分については、年明けの中央社会保険医療協議会で審議していく。
診療報酬と同時期に改定する介護報酬はプラス0.54%、障害福祉サービス等報酬もプラス0.47%となった。