厚生労働省は14日、2016年「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果を発表した。16年末時点の薬剤師の届け出は30万1323人で、2年前の前回調査に比べ1万3172人、4.6%増加し、1982年の調査開始以来、初めて30万人を超えた。人口10万対薬剤師数は237.4人で、前回より10.7人増加。6年制薬学部の卒業生が増え続けていることが影響し、増加率は前回の2.9%からさらに伸びた。
調査は、16年12月31日現在の医師、歯科医師、薬剤師が保健所に提出した届出票を集計したもの。
薬剤師が主に従事している業務の種別を見ると、「薬局」が17万2142人で全体の57.1%を占め、前回から1万0944人、6.8%増加した。大手チェーン薬局の出店増加により、従事する薬剤師も増加しているものとみられる。
「医療施設」の従事者は5万8044人(全体の19.3%)で、前回より3165人、5.8%増加した。そのうち、「病院」は5万2145人(17.3%)、「診療所」は5899人(2.0%)だった。
「大学」は5046人で、前回より57人減り、「医薬品関係企業」は4万2024人で1584人減少した。このうち、ドラッグストアなどの「医薬品販売業」は1万1759人で、1087人の減少となった。登録販売者が増加していることなどが影響していると見られる。「衛生行政機関または保健衛生施設」は6813人で237人増加した。
薬剤師30万1323人を男女別に見ると、男性が11万6826人(総数の38.8%)、女性が18万4497人(61.2%)だった。
平均年齢は46歳。年齢階級別に見ると、「30~39歳」が7万6714人(25.5%)と最も多く、次いで「40~49歳」の7万1949人(23.9%)となっている。
薬局・医療施設に従事する人口10万対薬剤師数は181.3人で、前回調査より11.3人増加した。都道府県(従業地)別に見ると、徳島県が220.9人と最も多く、人口減少により薬剤師が占める割合が上がっている。次いで東京都218.3人、兵庫県214.0人となっており、最も少なかったのは沖縄県の134.7人だった。