国内総生産(GDP)に対する研究費の比率は、前年度比0.13ポイント減の3.42%と2年連続で低下した。研究費の内訳を見ると、企業が13兆3183億円で研究費全体に占める割合は72.3%と最も大きかった。大学等は3兆6042億円で19.6%、非営利団体・公的機関は1兆5102億円で8.2%を占めた。前年度比で企業が2.7%減、大学等が1.1%減、非営利団体・公的機関が6.2%減と軒並み減少傾向にあった。
企業の研究費を産業別に見ると、医薬品製造業が1兆3516億円で、輸送用機械器具、情報通信機械器具に次いで3番目の傾向は変わっていない。売上高に対する研究費比率では、医薬品製造業が10.04%と全製造業の中で最も高かったが、前年度に比べ1.89ポイント低下した。全製造業では、売上高に対する研究費比率は0.13ポイントの微減に転じた。医薬品製造業では研究費比率の低下幅が拡大したものの、引き続き売上の1割を新薬の研究開発に積極的に投資している実態が見られた。
企業の自然科学に使った研究費を性格別に見ると、開発研究費が10兆0839億円、応用研究費が2兆2145億円、基礎研究費が9936億円となった。前年度に比べて基礎研究費は8.9%の増加に転じたが、応用研究費は5.9%減と2年連続で減少。開発研究費も2.9%の減少に転じた。
製造業全体の基礎研究費は8963億円(7.7%)となっているが、その中で医薬品製造業は2528億円(18.7%)と自然科学研究費の2割近くを創薬などの基礎研究に投入しており、基礎研究への投資が最も高い水準にあった。
一方、今年3月31日現在の研究者数を産業大分類別に見ると、製造業が42万6700人で全体の87.3%を占めた。医薬品製造業の研究者は、2万1600人と前年度に比べて100人(0.7%)減り、2年連続の減少となった。全産業の研究者1人当たりの研究費は2725万円と、前年度比で3.2%減少。産業別研究者1人当たりの研究費は、医薬品製造業が6267万円と最も多かったが、前年度に比べて6.6%減少した。