政府の行政改革推進会議は7日、予算の無駄を検証するため11月に実施した「秋の行政事業レビュー」の指摘事項を取りまとめた。その中で取り上げた調剤技術料については、「門前薬局、大型チェーン薬局の実態を踏まえると一層の引き下げ余地がある」とし、メリハリのついた調剤技術料の報酬設定とすべきと提言した。報告を受けた安倍晋三首相は「予算編成に的確に反映する」と述べた。
秋の行政事業レビューでは、診療報酬のうち調剤技術料を取り上げた。その結果、薬剤師・薬局のサービスの対価として、「院内処方と院外処方のコスト差について十分検証されていない」と指摘。現時点で、かかりつけ薬剤師・薬局は少数派として、「今後も現在の調剤報酬体系のままでは目指す姿に進んでいくとは見込みがたい」との見方を示した。
門前薬局と大型チェーン薬局の調剤技術料について、その実態を踏まえると「一層の引き下げ余地がある」とした。
その上で、調剤技術料が医科、歯科に比べて伸びていること、医薬分業が定着してきたことを挙げつつ、現在の調剤報酬体系を「一部の先進的な薬剤師・薬局やあるべき理想像を基本にした報酬体系と考えられる」との見解を披露。現在の実態を踏まえると、真に患者のためのかかりつけ薬剤師・薬局を進めるためにも、「調剤技術料の全体的な水準の引き下げを含め、メリハリのついた適正で効果的な調剤技術料の報酬設定とすべき」とまとめた。
今回のレビューの指摘事項の報告を受けた安倍首相は、「国民の関心が高い社会保障分野から2017年は調剤報酬が取り上げられ、効率的なあり方について議論がなされた」とし、「予算編成に的確に反映すると共に、さらに事業の改善に取り組んでいく」と述べ、取りまとめを2018年度予算案に反映するよう指示した。