医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > エミシズマブ、インヒビター保有/非保有の12歳以上の血友病A対象に出血抑制-中外

エミシズマブ、インヒビター保有/非保有の12歳以上の血友病A対象に出血抑制-中外

読了時間:約 1分47秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年12月11日 PM12:00

エミシズマブを4週に1回皮下投与したP3試験

中外製薬株式会社は12月7日、血液凝固第VIII因子に対するインヒビター保有/非保有の12歳以上の血友病A患者を対象に、)を4週に1回皮下投与した第3相国際共同治験HAVEN 4試験の中間解析で、同剤定期投与による臨床的に意味のある出血抑制を確認したと発表した。

エミシズマブは、同社独自の抗体改変技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体。活性型第IX因子と第X因子に結合し、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替する。

同剤は2017年11月に米国食品医薬品局より、「血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病A(先天性第VIII因子欠乏症)患者に対する週1回の皮下投与による予防投与療法」として承認を取得(米国製品名:HEMLIBRA(R)、承認申請者:ジェネンテック社)。欧州では、インヒビター保有の血友病A患者を対象に欧州医薬品庁へ承認申請済みで、迅速審査の指定を受けている。日本では、2016年8月に「インヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を対象に、希少疾病用医薬品に指定されており、2017年7月に製造販売承認申請を行っている。

投与期間中央値17週間後実施の中間解析より

HAVEN 4試験は、エミシズマブを4週に1回の頻度で定期的に皮下投与した際の有効性、安全性および薬物動態を評価する単群オープンラベル多施設共同国際第3相臨床試験。同試験は、試験開始前に第VIII因子製剤もしくはバイパス止血製剤による出血時止血療法または定期投与を受けていた、血液凝固第VIII因子に対するインヒビター保有/非保有の12歳以上の血友病A患者48名を対象に行われた。主要評価項目は、エミシズマブ定期投与による出血頻度。副次的評価項目は、関節出血頻度、標的関節出血頻度、健康に関連する生活の質(HRQoL)スコア/健康状態、安全性等。

今回、投与期間中央値17週間後に実施した中間解析から、同剤定期投与により、臨床的に意味のある出血抑制が確認されたという。この成績は、インヒビター保有の血友病A患者を対象に週1回のエミシズマブ定期投与による出血抑制効果を検討した成人および青年期対象のHAVEN 1試験、小児対象のHAVEN 2試験ならびにインヒビター非保有の12歳以上の血友病A患者を対象に週1回および2週に1回のエミシズマブ定期投与による出血抑制効果を検討したHAVEN 3試験で得られたものと同様だった。なお、最も多く見られた有害事象は注射部位反応であり、新たなものは認められなかった。また、血栓性微小血管症や血栓塞栓関連事象も認められなかったという。

同試験の詳細な結果は、今後開催される医学会で発表されるとともに、承認申請のため各国の規制当局へ提出される予定だ。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン 肺がん領域に初参入
  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待