ワクチン抗原タンパク質を発現させたコメ型経口ワクチン
アステラス製薬株式会社、東京大学医科学研究所、千葉大学、および株式会社朝日工業社は12月6日、コメ型経口ワクチン「MucoRice-CTB」(ムコライス)の実用化を目指した共同研究契約を締結したと発表した。
ムコライスは、遺伝子組換え技術を用い、コメの内在性貯蔵タンパク質の代わりにワクチン抗原となるタンパク質を発現させたコメ型経口ワクチン。東大医科学研究所 国際粘膜ワクチン開発研究センターの清野宏教授、幸義和特任研究員らにより開発された。
ムコライスは室温での保管が可能でバイオ医薬品に特有の厳格な温度管理の必要がない。栽培技術の確立により効率的に生産することが可能になれば、医療費負担軽減に貢献できる可能性があるという。
2017年からはノロウイルスも対象に
東大医科学研究所とアステラスは、ムコライスを活用したコレラ、毒素原性大腸菌を対象としたワクチンの共同研究に2016年より取り組んできた。2017年からは、その研究対象の範囲をウイルス性腸管下痢症(例:ノロウイルス)に広げている。
今回の契約のもと、アステラス製薬はムコライスの生産条件検討および製剤化を担当。東大医科学研究所、千葉大学および朝日工業社はムコライスの生産体制の構築を行う。なお、今回開始するプログラムは、医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に採択されており、日本医療研究開発機構(AMED)より支援を受け、実施される。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース