医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤、動物試験で死亡・体重減を抑制-アンジェス

DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤、動物試験で死亡・体重減を抑制-アンジェス

読了時間:約 1分15秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年12月07日 PM12:45

DNAワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製

アンジェス株式会社は12月5日、DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の開発について、マウスを使った動物試験の中間報告において良好な結果が得られたと発表した。

同社はDNAワクチン技術を応用し、エボラ出血熱対策医薬品として抗血清製剤の開発をカナダのサスカチュワン大学と共同で進めている。開発する抗血清製剤は、エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードするDNAワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製して利用する治療薬。今回の動物試験では、ウマ血清がエボラ出血熱に対して治療効果を有するかを確認するため、サスカチュワン大学の Vaccine and Infectious Disease Organization – International Vaccine Center (VIDO-InterVac)においてエボラウイルスに感染したマウスに実際に投与を行った。

世界でも有数のウイルス研究設備を有するVIDO-InterVacで試験を実施

動物試験の結果、抗血清を投与した群では対照群に比べて死亡や体重減が抑制されるという効果を確認。この結果は、現在開発を進めているウマ血清が治療薬としての機能を有することを示唆するものだとしている。

なお、この試験は活きたエボラウイルスを扱う試験施設のない日本国内では実施不可能なため、その機能を持つVIDO-InterVacで実施したものだ。サスカチュワン大学のVIDO-InterVacは、40年に渡りヒトおよび動物のワクチンおよび感染症の研究開発において実績を上げてきた研究機関。世界でも有数のウイルス研究設備を有し、感染症に対する革新的なワクチンや免疫治療薬の開発において海外の企業の機関と提携している。

今回、中間報告において良好な結果が得られたことから、アンジェスでは引き続き動物実験を行い、エボラ出血熱抗血清剤の早期実用化に向けて開発を進めていくとしている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬
  • チルゼパチド、肥満症の日本人対象P3試験で有意な体重減少効果-リリー
  • エブリスディ2年データ、SMA小児の多くが独立歩行可能となったことを示す-ロシュ
  • 点滴ライン整理用の「カラフルホルダー」開発、ワンタッチで長さ調節可-東北大ほか