DNAワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製
アンジェス株式会社は12月5日、DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の開発について、マウスを使った動物試験の中間報告において良好な結果が得られたと発表した。
同社はDNAワクチン技術を応用し、エボラ出血熱対策医薬品として抗血清製剤の開発をカナダのサスカチュワン大学と共同で進めている。開発する抗血清製剤は、エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードするDNAワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製して利用する治療薬。今回の動物試験では、ウマ血清がエボラ出血熱に対して治療効果を有するかを確認するため、サスカチュワン大学の Vaccine and Infectious Disease Organization – International Vaccine Center (VIDO-InterVac)においてエボラウイルスに感染したマウスに実際に投与を行った。
世界でも有数のウイルス研究設備を有するVIDO-InterVacで試験を実施
動物試験の結果、抗血清を投与した群では対照群に比べて死亡や体重減が抑制されるという効果を確認。この結果は、現在開発を進めているウマ血清が治療薬としての機能を有することを示唆するものだとしている。
なお、この試験は活きたエボラウイルスを扱う試験施設のない日本国内では実施不可能なため、その機能を持つVIDO-InterVacで実施したものだ。サスカチュワン大学のVIDO-InterVacは、40年に渡りヒトおよび動物のワクチンおよび感染症の研究開発において実績を上げてきた研究機関。世界でも有数のウイルス研究設備を有し、感染症に対する革新的なワクチンや免疫治療薬の開発において海外の企業の機関と提携している。
今回、中間報告において良好な結果が得られたことから、アンジェスでは引き続き動物実験を行い、エボラ出血熱抗血清剤の早期実用化に向けて開発を進めていくとしている。
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・アンジェス株式会社 ニュースリリース