政府の経済財政諮問会議は1日、2018年度予算編成に向けて社会保障改革を議論し、民間議員は診療報酬改定のうち、特に調剤技術料に言及。門前薬局、敷地内薬局を中心に調剤基本料を見直すべきとした。加藤勝信厚生労働相は「門前、敷地内薬局の実態を認識して適正化する方向で検討」と明言した。
民間議員は、診療報酬改定について、本体の引き上げが国民負担に直結するとし、改革努力を緩めず一層の取り組みを進めるべきと要求。特に調剤技術料について、薬局の機能分化や調剤報酬適正化の観点から、門前薬局、敷地内薬局を中心に調剤基本料を見直すべきと迫った。
これに対し、加藤厚労相は、調剤技術料について「かかりつけ薬局の推進が今後の論点になるだろう」としつつ、「門前、敷地内薬局については大病院周辺に集中しており、その実態を認識して適正化を図る方向で検討する」と明言した。
また、薬価制度の抜本改革について、民間議員は後発品上市後16年かけて長期収載品を後発品の薬価まで引き下げる期間の短縮を要求。費用対効果に応じた薬価算定の仕組みの本格導入に加え、コンパニオン診断薬の開発インセンティブを強化するよう求めた。
加藤厚労相は、「まず段階的に後発品の薬価を基準に引き下げ、全体的な薬価制度の抜本改革の大きな体系をしっかり進めていく中で、今回の提案についても考えていきたい」とした。
薬価制度の抜本改革に関連して、世耕弘成経済産業相は「日本の創薬産業の競争力強化が重要。厚生労働省と連携して、創薬ベンチャーへの投資の促進などを行っていく」と創薬競争力の強化に言及した。
これらを踏まえ、安倍晋三首相は「薬価制度を革新的新薬の創出を促進する仕組みに見直すといった方向性が示された。議論を踏まえ、着実に実行していただきたい」と加藤厚労相に指示した。