推定患者数2,000人の悪性リンパ腫のひとつ
MSD株式会社は11月30日、ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体(抗PD-1抗体)「キイトルーダ(R)点滴静注20mgおよび100mg」(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))について、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する効能・効果を追加する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表した。
ホジキンリンパ腫は、悪性リンパ腫のひとつ。厚生労働省が実施した2014年の患者調査によると、日本でのホジキンリンパ腫の推定患者数は約2,000人とされている。ホジキンリンパ腫の治療は、造血器腫瘍診療ガイドラインを参考に、化学療法、放射線療法が行われる。標準治療を行っても、再発または治療抵抗性が認められた場合は、救援化学療法や自家造血幹細胞移植が行われることがあるが、既存治療で治癒しない場合の選択肢は限られている。
乳がん、大腸がんなどを対象とした後期臨床試験も進行中
キイトルーダは、T細胞に主に発現する受容体「PD-1」と、腫瘍細胞に発現するリガンド「PD-L1」および「PD-L2」の相互作用を阻害する抗PD-1抗体。PD-1受容体に結合して、この受容体とリガンドとの結合を阻害することで、腫瘍細胞のPD-1経路を介する抗腫瘍免疫応答の阻害を解除する。
同剤は、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫の患者を対象とした国際共同第2相臨床試験(KEYNOTE-087試験)において、有効性および安全性が示された。すでに国内では、根治切除不能な悪性黒色腫およびPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能・効果で承認を取得しており、2017年2月15日に発売を開始。また、2017年4月28日には、局所進行性又は転移性の尿路上皮がんに対する効能・効果について製造販売承認事項一部変更承認申請を行っている。さらに、乳がん、大腸がん、食道がん、胃がん、頭頸部がん、肝細胞がん、腎細胞がん、卵巣がん、前立腺がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中だ。
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