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初の生物学的製剤登場、今後のSLE治療は“ステロイド減”がポイントに

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2017年12月04日 PM03:00

P3試験でSRI4のレスポンダー率を有意に増加

グラクソ・スミスクライン株式会社は11月28日、「ベンリスタ点滴静注用400mg」、「ベンリスタ皮下注200mg オートインジェクター」、「ベンリスタ皮下注200mgシリンジ」(一般名:(遺伝子組換え))が9月27日に既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデスの効能・効果で製造販売承認を取得したことを受け、メディアセミナーを開催した。

)は、エリテマトーデスで最も一般的にみられる型であり、自己抗体を産生し、体内のほとんど全ての組織に悪影響を与える、慢性の難病自己免疫疾患。国内の患者数は6万人以上と推定されている。

ベンリスタは現在、SLE治療薬として承認されている唯一の生物学的製剤。B細胞に直接結合せずBリンパ球刺激因子(BLyS)に結合することにより、自己反応性B細胞を含めB細胞の生存を阻害し、B細胞の免疫グロブリン産生形質細胞への分化を抑制する。

承認時評価資料となった国際共同第3相二重盲検並行群間比較試験「BLISS-NEA試験」は、自己抗体陽性で疾患活動性を有し、既存の標準治療を受けている18歳以上のSLE患者705例(日本人60例含む)を対象に実施。対象患者を無作為化し、既存治療+ベンリスタ群(ベンリスタ併用群、470例)または既存治療+プラセボ群(プラセボ併用群、235例)に2:1で割り付け、10mg/kgまたはプラセボを初回、2週間後、4週間後、以降4週間ごとに48週時まで静脈内投与し、52週間観察した。

主要評価項目は、52週時のSLE responder index(SRI)4のレスポンダー率だった。SRI4レスポンダーとは、Safety of Estrogens in Lupus Erythematosus National Assessment SLE Disease Activity Index(SELENA SLEDAI)、British Isles Lupus Assessment Group(BILAG)、Physician Global Assessment(PGA)からなる、病態の悪化を伴わない疾患活動性の改善を評価する尺度。同試験の結果では、プラセボ併用群が40.1%だったのに対し、ベンリスタ併用群は53.8%となり、ベンリスタ併用群で有意に増加したという(P=0.0001)。

その他、52週時の再熱(フレア)の累積発現率は、プラセボ併用群33.6%に対し、ベンリスタ併用群21.3%となり、ベンリスタ併用群で有意に低下(P=0.0003)。52週間のステロイド累積投与量の中央値は、プラセボ併用群4758.13mgに対し、ベンリスタ併用群4190.00mgとなり、ベンリスタ併用群で有意に低下した(P=0.0005)。また、疲労感の平均変化量は、プラセボ併用群2.07に対し、ベンリスタ併用群4.77となり、ベンリスタ併用群で有意に改善したという(P<0.0003)。

BLISS-NEA試験は「重要なデータ」(竹内氏)


慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科教授
竹内勤氏

セミナーでは、慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科教授の竹内勤氏がSLE治療について講演。竹内氏は、BLISS-NEA試験について「現状の治療では減らしたくても減らせないステロイドを減らすことができた」という点を評価し、「しかも反応性も良いというのは重要なデータだ」と述べた。

SLEの10年生存率は時代とともに向上しており、「治療目標は、生活の質(QOL)をいかに高めるかというところまで変わってきた」と竹内氏。今後は、ステロイド以外の薬剤を併用して治療効果を高め、ステロイド投与量を減らすことがポイントになるという。「SLE治療では、長期的なQOL改善を達成できる薬剤が求められてきた。生物学的製剤は期待できるのではないか」(竹内氏)

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