治療法の進歩が限定的なHER2陽性胃がん
第一三共株式会社は11月21日、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)「DS-8201」について、HER2陽性の再発・進行性胃がん患者対象の第2相臨床試験「DESTINY-Gastric01」で最初の患者への投与を開始したと発表した。
胃がん患者の5人に1人の割合で、がん細胞にHER2が過剰発現しているといわれている。HER2陽性胃がんは、不均一なHER2発現が認められることから治療法の進歩が限定的で、アンメット・メディカル・ニーズが高い疾患のひとつ。現在、HER2を標的としたトラスツズマブによる治療を受けた後に進行したHER2陽性の再発・進行性胃がんに対して、標準的に使用されている抗HER2療法はない。
日本・韓国で約180名の患者を登録予定
DESTINY-Gastric01は、HER2を標的としたトラスツズマブによる治療を含む2種類の前治療を受けた後に進行したHER2陽性の再発・進行性胃がん患者または胃食道接合部腺がん患者を対象とした第2相臨床試験。DS-8201の有効性と安全性を評価する。主要評価項目は全奏効率で、日本および韓国で約180名の患者を登録する予定。
また、HER2を標的とした前治療を受けていないHER2低発現の再発・進行性胃がん患者約40名(登録予定)に対する同剤の有効性と安全性も探索的に評価する。
なお、同試験は、乳がんに続き、DS-8201にとって2番目の第2相臨床試験となる。
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・第一三共株式会社 ニュースリリース