異なる用量・投与スケジュールで評価
米ブリストル・マイヤーズスクイブ社は11月10日、現在進行中の第1/2a相用量漸増および用量拡大臨床試験「CA017-003試験」から、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と1日1回経口投与の選択的インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)阻害薬「BMS-986205」の併用療法に関する最新結果を発表した。このデータは、第32回がん免疫学会(SITC)年次総会で発表された。
CA017-003試験は、進行がん患者を対象に、BMS-986205をオプジーボおよびヤーボイ(一般名:イピリムマブ)を含む他の薬剤との併用療法で、異なる用量や投与スケジュールにおいて評価する進行中の第1/2a相用量漸増および用量拡大臨床試験。
用量漸増パートの主要目的は、安全性、忍容性、用量制限毒性(DLT)および最大耐量(MTD)、最大投与量(MAD)または代替用量の確立で、副次目的は、薬物動態、薬力学、免疫原性および予備的な抗腫瘍効果の評価だった。用量拡大パートの主要目的は、BMS-986205 とオプジーボとの併用療法の予備的な抗腫瘍効果、安全性および忍容性の評価だった。
ORRは膀胱がんで32%、子宮頸がんでは14%
用量漸増パートにおいて、主要評価項目であるオプジーボとの併用によるBMS-986205の最大耐量は200mg。安全性および薬力学的データに基づき、今後の試験における推奨用量は100mgに設定された。用量拡大パートでは、複数の治療歴を有する膀胱がん患者(25例)および子宮頸がん患者(22例)の2つのコホートにおいて、主要評価項目である抗腫瘍効果に関する結果が報告された。
膀胱がんコホートにおいて、奏効率(ORR)は32%、病勢コントロール率(DCR)は44%。子宮頸がんコホートにおいて、ORRは14%、DCRは64%。同試験では、PD-L1発現レベルに基づくORRも評価された。PD-L1発現レベルが1%以上の患者において、ORRは、膀胱がんコホート(13例)で46%、子宮頸がんコホート(12例)で25%。PD-L1発現レベルが1%未満の患者において、ORRは、膀胱がんコホート(9例)で22%認められ、子宮頸がんコホート(7例)では奏効が認められなかった。奏効は、前治療歴にかかわらず認められた。
また同試験では、がん細胞を免疫応答から回避させている可能性のあるIDO1酵素により産生され、免疫調節作用を有する代謝産物「キヌレニン」の血中濃度を測定することで、BMS-986205の効力を評価。SITCで発表された抗腫瘍効果のデータ以外にも、血中キヌレニン阻害に関するエビデンスも得られており、今後の試験で評価する用量として設定された100mgの用量において、血中キヌレニンを56%阻害することが示されている。またキヌレニンは、投与前および投与中の腫瘍検体でも評価され、最大で100%の減少が示されたという。さまざまながん腫における腫瘍のペア検体では、増殖性CD8陽性T細胞の増加も示され、腫瘍の微小環境内におけるIDO1阻害薬とPD-1阻害薬の併用療法による免疫調節のエビデンスが得られたとしている。