心房細動患者対象の第3相臨床試験のサブグループ解析で
第一三共株式会社は11月15日、「エドキサバン」(製品名:リクシアナ(R)錠)の安全性と有効性を評価したグローバル第3相臨床試験「ENGAGE AF-TIMI 48試験」における、冠動脈疾患を有する心房細動患者を対象としたサブグループ解析の結果を発表した。この結果は、米国心臓協会(AHA)学術集会2017で発表されている。
エドキサバンは、血管内で血液凝固に関与するFXa(活性化血液凝固第X因子)を選択的、可逆的かつ直接的に阻害する抗凝固剤。現在、世界20か国以上で販売されている。日本では、「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」の適応で、リクシアナ錠15mg、同錠30mgを2011年7月から販売。2014年9月には「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」および「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」の両適応で効能追加の承認を取得し、2014年12月からリクシアナ錠60mgを販売している。
ENGAGE AF-TIMI 48試験は、非弁膜症性心房細動患者2万1,105名を対象としたエドキサバンのグローバル第3相臨床試験。この試験の投与期間は2.8年と、心房細動患者を対象とした新規抗凝固剤の臨床試験としては、最大かつ最長。同試験においてエドキサバンはワルファリンに対して、脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制における有効性で非劣性、重大な出血の発現における安全性において優越性を示したことを2013年に発表している。
全身性塞栓症や心筋梗塞などの発現率を比較
今回発表されたサブグループ解析は、冠動脈疾患を有する心房細動患者4,510名のイベント発現率について、エドキサバン(60mgまたは30mg)投与群とワルファリン投与群を比較したもの。脳卒中および全身性塞栓症の発現率は、冠動脈疾患を有する場合はエドキサバン群で1.4%、ワルファリン群で2.1%(冠動脈疾患を有しない場合はエドキサバン群で1.6%、ワルファリン群で1.7%)だった。心筋梗塞の発現率は、冠動脈疾患を有する場合はエドキサバン群で1.4%、ワルファリン群で2.0%(冠動脈疾患を有しない場合はエドキサバン群で0.5%、ワルファリン群で0.4%)だったという。
また、重大な出血の発現率は、冠動脈疾患を有する場合はエドキサバン群で3.6%、ワルファリン群で4.4%(冠動脈疾患を有しない場合はエドキサバン群で2.5%、ワルファリン群で3.2%)となり、エドキサバン群はワルファリン群に対し、冠動脈疾患の有無にかかわらず、試験全体結果と同様の傾向が認められたとしている。
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・第一三共株式会社 ニュースリリース