主要評価項目、副次評価項目をそれぞれ達成
仏サノフィ社と米Alnylam Pharmaceuticals社は11月2日、ポリニューロパチーを呈するトランスサイレチン(ATTR)型家族性アミロイドーシスの治療薬として開発中の遺伝子干渉(RNAi)治験薬「patisiran」の第3相APOLLO試験の結果を発表した。この臨床データは、フランスで開催された第1回欧州ATTRアミロイドーシス研究会における口頭発表にて発表された。
APOLL試験の結果、patisiranは、主要評価項目である18か月時点の修正ニューロパチー障害スコア(mNIS+7)、副次評価項目である知覚神経系、運動神経系および自律神経系のニューロパチー症状、探索的評価項目である心臓機能評価において、プラセボとの比較で改善がみられることが明らかにされた。また、生活の質(QOL)、日常生活動作(ADL)、栄養状態、運動力、歩行能力にも改善がみられるとともに、症状や身体障害も軽減したという。
2017年年末までに米、欧州で承認申請へ
18か月時点でのmNIS+7のベースラインからの平均変化量は、patisiran群(148例)は6.0ポイントの減少、プラセボ群(77例)は28.0ポイントの増加(悪化)で、patisiran群のプラセボ群との群間差平均は34.0ポイントだった(p<0.0001)。プラセボとの比較で認められたpatisiranの成績は、患者背景やhATTRアミロイドーシスの病型を問わず、全ての患者層で認められたという。
18か月時点における副次評価項目についても、patisiran群は、プラセボ群に比べて、mNIS+7のサブドメインで筋力を評価するNIS-W(p<0.0001)、患者の報告に基づく日常生活と身体障害の転帰を評価するRasch-built全般身体障害スコア(R-ODS)(p<0.0001)、歩行速度を評価する10m歩行試験(p<0.0001)、栄養状態を評価するmBMI(p<0.0001)、自律神経系症状を評価するためのCOMPASS-31質問票(p=0.0008)において、統計的に有意で臨床的にも意義のある改善を認めた。
Alnylam社は、これらの結果に基づき、2017年末までに米国での承認申請(NDA)を行い、続いて欧州でも承認申請(MAA)を行う予定としている。
▼関連リンク
・サノフィ株式会社 プレスリリース