日本ではチューブ式インスリンポンプのみ販売
テルモ株式会社は11月13日、日本初となるパッチ(貼り付け)式インスリンポンプ「メディセーフウィズ」(MEDISAFE WITH)が、11月10日に製造販売承認を取得したことを発表した。2018年夏の発売に向けて準備を進めているという。
画像はリリースより
糖尿病の主な治療方法として、1型糖尿病ではインスリン投与が、2型糖尿病では食事・運動療法を基本に経口剤やインスリン投与が行われる。1型糖尿病やインスリン分泌が著しく低下した2型糖尿病患者に対しては、インスリンを持続的に投与するためにインスリンポンプが使用される。日本では現在、チューブ式インスリンポンプのみが販売されており、数千人の患者が装着している。
インスリンポンプは、頻回の自己注射に比べて血糖値変動が改善されるという報告がある。しかし、チューブ式インスリンポンプでは、インスリン注入部とポンプを繋ぐチューブのトラブルが、インスリン投与中断の原因になっているとの指摘もなされている。
ポンプ機能を注入部に集約、操作はリモコンで可能
今回、承認を取得したチューブフリーのメディセーフウィズは、仕事、家事など患者の日常的な活動を普段どおりに行えるように設計されている。ポンプ機能を注入部に集約させ、皮膚に貼り付ける構造とし、操作はリモコンで可能だ。
また、インスリン充填、カニューレ留置、投与などの操作がわかりやすいのも特長。タッチパネル式のリモコンによる無線通信で行う投与操作は、基礎投与(ベーサル)や追加投与(ボーラス)などの各種設定を服装や場所に制限されずに実施できるという。
テルモは糖尿病領域において、1982年に針植え込み式インスリン用シリンジ、1993年に血糖測定器、2005年に世界一細いインスリン用注射針を発売し、糖尿病に関する医療機器を30年以上販売している。
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・テルモ株式会社 プレスリリース