下垂体のGnRH受容体を阻害、LHとFSHの分泌阻害
武田薬品工業株式会社は11月9日、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体拮抗薬「relugolix」(開発コード:TAK-385)の子宮筋腫を対象とした臨床第3相試験(TAK-385-3008試験)において、relugolix投与群が対照群に対して統計学的に有意な疼痛症状の改善を示したと発表した。
relugolixは、下垂体のGnRH受容体を阻害することで、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を阻害。その結果、性ホルモンのエストロゲンおよびプロゲステロンが抑制され、子宮筋腫や子宮内膜症の症状を改善することが期待されている。
TAK-385-3008試験は、子宮筋腫に伴う疼痛症状を有する日本人女性を対象にした、無作為化、二重盲検、並行群間、多施設共同試験。relugolixを12週間経口投与した際の有効性および安全性を、プラセボを対照薬として比較検討。relugolix 40mgまたはプラセボを両群あわせて65名の疼痛症状を有する患者に、いずれも経口薬として1日1回投与した。
Relugolix投与群57.6%で疼痛症状が改善
試験の結果、主要評価項目の投与終了前28日間におけるNumerical Rating Scale(NRS)スコアの最大値が1点以下の症例割合について、relugolix群は対照群と比較して、統計学的に有意に高いことを確認(relugolix群57.6%、対照群3.1%、p値<0.0001)。投与開始前のNRSスコア最大値は4点以上だったという。また、relugolixの投与で、作用機序に基づくと考えられる、ほてり、不正子宮出血、多汗症および月経過多などが比較的多く認められたが、すでに報告されている安全性プロファイルと同様だったとしている。
なお、同剤の有効性と安全性については、リュープロレリン酢酸塩を比較対象とした第3相試験(TAK-385/CCT-002試験)の結果が2017年10月に発表されている。同試験では、主要評価項目の月経時出血量の改善作用におけるrelugolix群の対照群に対する非劣性が示され(relugolix群82.2%、対照群83.1%、非劣性に対するp値=0.0013)、有害事象の発現率は両群間で同様であり、多くは作用機序に基づくものと考えられることが示されている。
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