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【17年度改定調査】かかりつけ料に一定効果「薬局で丁寧な服薬指導可能に」-患者の8割、一元把握を好感

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2017年11月13日 AM10:30

かかりつけ薬剤師の評価に関する2016年度診療報酬改定の影響を検証した17年度調査の報告書がまとまった。保険薬局調査によると、前回改定の目玉である「かかりつけ薬剤師指導料」の同意取得数は平均28.2人と処方箋受付回数の約2%にとどまったが、届け出薬局の7割が「丁寧な服薬指導ができるようになった」と回答。患者調査では、薬の一元的把握についてが8割と最も効果を実感していることが分かった。かかりつけ薬剤師を持ちたいとの意向を持つ患者も約6割に上るなど、かかりつけ薬剤師が好感されていることがうかがえた。10日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。

保険薬局調査結果などが議論された中医協総会

保険薬局調査では、かかりつけ薬剤師指導料の同意患者数について、2017年6月に処方箋を持参した患者のうち、5月までに同指導料の「同意を得た」患者は平均28.2人、6月の1カ月間に同指導料を「算定した」患者は平均23.8人、算定回数は平均33.9回となった。同指導料を算定した患者の年齢構成で最も多かったのが75歳以上で43.4%と4割を占め、次いで65~74歳が22.2%と6割以上が65歳以上の高齢者だった。

また、同指導料の施設基準の要件を全て満たしているものの、かかりつけ薬剤師としての届け出をしていない薬剤師について「いる」と回答した薬局が9.4%あった。その理由としては、「24時間対応が難しいから」との回答が42.6%と最も多く、24時間対応が算定のハードルになっていることがうかがえた。

同指導料を届け出ていない施設で理由としては、「施設基準の要件を満たす薬剤師がいないため」が42.9%で最も多く、次いで「地域活動に参画している薬剤師がいないため」が36.7%との結果だった。

届け出ていない施設に今後の予定を聞くと、届け出の「具体的な予定がある」との回答が8.6%、「時期は未定だが届け出を検討中」が47.9%と、6割近くで前向きな意向がうかがえた。

届け出薬局に対して、かかりつけ薬剤師に対する評価の影響と効果を尋ねると、「丁寧な服薬指導ができるようになった」が「当てはまる」「どちらかというと当てはまる」を合わせて70.3%と最も多く、次いで「・飲み合わせのチェックが行いやすくなった」が67.8%、「残薬解消を積極的に行うようになった」が67.7%などとの結果で、薬局で一定の効果を実感していることが分かった。

一方、患者調査で、かかりつけ薬剤師の有無については、「いる」との回答は55.5%と半数以上を占め、同指導料の算定に同意している患者では91.5%に上った。かかりつけ薬剤師が「いる」と回答した人に対し、いてよかったと実感した経験を聞くと「自分の飲んでいる薬を全て把握してくれること」が79.1%と最も多く、次いで「薬について分かりやすく説明してくれること」が65.8%となった。

また、かかりつけ薬剤師について重視することも、薬の全ての把握が7割と最も多く、患者からは薬の一元的な把握が求められていることが分かった。かかりつけ薬剤師を持ちたいかについては、「持ちたい」が43.7%、「どちらかというと持ちたい」が20.3%と、これらを合わせて64.0%が前向きに考えていた。

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