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発売から半年、乾癬治療におけるオテズラの位置づけとは-セルジーンがセミナー開催

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2017年11月10日 AM11:00

25年ぶりに登場した乾癬治療の経口新薬

セルジーン株式会社は11月7日、「(R)錠」(一般名:アプレミラスト)に関するメディアセミナーを開催。NTT東日本関東病院皮膚科部長の五十嵐敦之氏が講演した。

オテズラは、経口ホスホジエステラーゼ4()阻害剤。PDE4は細胞内のサイクリックAMP(cAMP)に特異的なPDEで、主に炎症性細胞に分布している。オテズラは、PDE4を阻害することで細胞内cAMP濃度を上昇させ、IL-17やTNF-α、IL-23などの炎症性サイトカインの産生を制御、また抗炎症性サイトカインの産生を増加させることで、炎症反応を抑制する。

同剤は、2016年12月19日に「局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、」の治療薬として承認され、2017年3月1日に発売。従来の薬剤とは異なる新しい作用機序を有し、日本では乾癬の経口治療剤として約25年ぶりの新薬となった。2016年12月時点で、米国、欧州など世界37か国で乾癬の治療薬として承認されている。

同剤の海外第3相臨床試験「ESTEEM-1試験」では、BSA10%以上、PASIスコア12以上、sPGAスコア3以上の中等~重症の尋常性乾癬で18歳以上の患者844例が参加し、オテズラ30mgを1日2回経口投与したときの有効性および安全性を評価。その結果、主要評価項目である投与16週のPASI-75達成率は、プラセボ群5.3%に対してオテズラ群33.1%(p<0.0001)だったという。

五十嵐氏「効果は非常に“マイルド”」


NTT東日本関東病院皮膚科部長 五十嵐敦之氏

乾癬治療でのオテズラの位置づけについて五十嵐氏は、「外用剤や光線療法など既存の局所療法で効果が出なかった患者に対して、いきなり生物学的製剤へと移行せずに使用できる」と解説。「生物学的製剤に比べて、効果は非常に“マイルド”」であり、ビタミンA誘導体や免疫抑制剤と比べて、、肝機能障害などの臓器障害が少ないなどの理由から「扱いやすい」と説明。また、「皮疹の改善に先立ち、痒みが軽減する」、「光線療法との併用でさらに改善が期待される」などの特徴も紹介した。

同剤での治療が適する患者として、五十嵐氏は「中等~重症の患者」、「他の内服薬で副作用が出現、または懸念される患者」などを挙げる。患者の体重によって効果に差がないことから「高体重の患者」などにも適していると説明した。

五十嵐氏は最後に、乾癬治療における同剤の反応性について「患者によってかなり違う印象がある」とし、「4週ですぐに良くなる患者もいれば、16~24週までかかって良くなる患者もいる」と例を挙げた。その反応性の違いについては不明であり、「どのような患者に効くのか予見できるような判断材料を見つけることが今後の課題だ」と結んだ。

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