ステージIII切除不能NSCLC患者対象に
英アストラゼネカ社は10月31日、米Incyte社との共同臨床開発を拡大し、アストラゼネカのヒトPD-L1に対するモノクローナル抗体「デュルバルマブ」単剤との比較で、デュルバルマブとIncyte社が開発中の選択的IDO1酵素阻害剤epacadostat(INCB024360)との併用における有効性および安全性を評価すると発表した。
今回の試験対象における独占的提携により、両社は白金製剤を用いた根治的同時化学放射線療法(CRT)の後に病勢進行が認められなかった局所進行(ステージIII)切除不能NSCLC患者対象の第3相試験を実施するという。同試験は、アストラゼネカが実施し、資金を両社が負担。患者登録は、2018年上半期に開始予定としている。
抗PD-L1抗体薬と選択的IDO1酵素阻害剤
デュルバルマブは、PD-L1とT細胞上のPD-1およびCD80の相互作用を阻害し、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用することで、免疫反応を誘発。同剤は、複数の単剤療法試験およびトレメリムマブや免疫療法における他の新薬候補との併用療法試験で検討が続けられている。
Epacadostatは、開発中のインドールアミン-2, 3ジオキシナーゼ1(IDO1)酵素の経口阻害剤。これまでに切除不能または転移黒色腫、NSCLC、肝細胞がん(HCC)、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)、膀胱がん患者対象の単群試験で、免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の概念実証(Proof-of-Concept)が示され、CTLA-4阻害剤のイピリムマブもしくはPD-1阻害剤のペムブロリズマブまたはニボルマブとのepacadostatの併用療法は、免疫チェックポイント阻害剤単剤に比べて奏効率を改善することが示されている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース