医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 筋強直性ジストロフィー、インターロイキン6の産生異常が骨格筋障害の原因に-阪大

筋強直性ジストロフィー、インターロイキン6の産生異常が骨格筋障害の原因に-阪大

読了時間:約 1分2秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年11月06日 PM12:00

成人の筋ジストロフィーで最も頻度が高い筋強直性ジストロフィー

大阪大学は11月1日、筋強直性ジストロフィーの骨格筋障害の原因が、分泌型生理活性物質インターロイキン6の産生異常にあることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科の中森雅之助教、望月秀樹教授らの研究グループによるもの。研究成果は、米科学誌「Cell Reports」に掲載された。


画像はリリースより

筋強直性ジストロフィーは、成人の筋ジストロフィーで最も頻度が高く、有病率は1/8000とされている。筋強直や筋萎縮といった骨格筋の症状や、伝導障害、、糖尿病などの症状が現れる。遺伝子上の繰り返し配列の異常な伸長が原因と考えられているが、最も重要な症状である筋萎縮のメカニズムは解明されていなかった。

)はサイトカインのひとつで、大阪大学で発見された。骨格筋からも分泌され、代謝の調節や骨格筋の成熟、機能維持に関わるとされている。

異常RNAにより骨格筋でのIL-6の産生が亢進、

研究グループは、とくに筋症状の強い先天型筋強直性ジストロフィーの希少な骨格筋検体を網羅的に解析。筋組織でのCTG繰り返し配列が長いほど、繰り返し配列近傍のCpGメチル化が促進され、より多くの異常RNAが産生されることを見出した。また、異常RNAにより骨格筋でのIL-6の産生が亢進し、筋萎縮につながることが判明したという。

今回の研究成果について研究グループは、現在治療法のない筋強直性ジストロフィーに対して、IL-6を標的とした新たな治療薬の開発に期待がもてる、と述べている。(遠藤るりこ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか
  • 腎臓の過剰ろ過、加齢を考慮して判断する新たな数式を定義-大阪公立大
  • 超希少難治性疾患のHGPS、核膜修復の遅延をロナファルニブが改善-科学大ほか
  • 運動後の起立性低血圧、水分摂取で軽減の可能性-杏林大
  • ALS、オリゴデンドロサイト異常がマウスの運動障害を惹起-名大