プラセボ+ドセタキセルとサイラムザ+ドセタキセルと比較
米イーライリリー・アンド・カンパニーは10月16日、進行非小細胞肺がん患者を対象とした「サイラムザ(R)」(一般名:ラムシルマブ)の第3相REVEL試験の新たなサブグループ解析が、横浜で開催された第18回世界肺癌学会(WCLC)で公表されたと発表した。
血管内皮増殖因子(VEGF)受容体2 拮抗薬のラムシルマブは、VEGF受容体2に特異的に結合することにより、VEGF受容体リガンドのVEGF-A、VEGF-CおよびVEGF-Dの結合に競合し、VEGF受容体2の活性化を阻害する。現在、大規模な国際共同開発プログラムで研究されており、世界中で1万人以上の患者が70件以上の試験に参加中。
REVEL試験は、プラチナ製剤を含む化学療法を施行中または施行後に増悪した局所進行または転移性非小細胞肺がん患者を対象として、プラセボ+ドセタキセルと、サイラムザ+ドセタキセルと比較した、海外、多施設共同、プラセボ対照、二重盲検、無作為化、第3相試験。非扁平上皮型および扁平上皮型非小細胞肺がんの患者を対象として、組織型とは無関係に、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)の改善を明らかにしている。
一次治療中に急速に進行した患者でも、併用療法による有効性を確認
今回発表された新たなデータは、一次治療中にがんが急速に進行した患者に焦点を当てた探索的事後解析。無増悪期間(TTP)は、一次治療の開始から進行まで、特に、がんが増殖、転移、進行するまでの期間と定義。この解析では、一次治療中にがんが急速に進行したものを Aggressive Disease と定義している。同試験に登録した1,253名の患者のうち、一次治療中のTTPが9週以下の患者は11%(133名)、TTPが12週以下の患者は17%(209名)、TTPが18週以下の患者は28%(354 名)だった。各サブグループのベースラインの特徴は、治療群間でバランスが取れていた。
解析の結果、OSおよびPFSにおいて、ラムシルマブ+ドセタキセル群はプラセボ+ドセタキセル群よりも有効性が示されており、ハザード比はintent-to-treat(ITT)患者集団のハザード比と類似していることを確認。また、3つのグループ全てでORRにおいてもラムシルマブ+ドセタキセル群で一貫した有効性が示されたという。さらに、一次治療中のTTPが18 週以下の患者の安全性概要の結果は、一次治療中のTTPが9週以下と12週以下の患者、およびITT集団で観察された結果と同様だった。なお、これらの集団で観察された新たな安全性シグナルはなかったとしている。
▼関連リンク
・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース