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保険薬局におけるジェネリック医薬品の選択基準「供給が安定」が最も多く

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2017年10月31日 PM04:00

大田区薬剤師会会員薬局へのアンケート調査から

現在、国による医療費抑制策の一環として処方箋の一般名処方と調剤報酬での後発医薬品調剤体制加算によりジェネリック医薬品(後発医薬品)への代替が推進されているが、保険薬局におけるジェネリック医薬品の選択基準において、最優先されるのは安定供給で、皮膚科外用剤や精神科領域薬ではジェネリック使用を積極的に行っていないことが、大田区薬剤師会の中畔勇一氏が行った、同会会員薬局へのアンケートで明らかになった。調査結果は10月に開催された第50回日本薬剤師会学術大会で発表された。

アンケートに回答したのは86薬局(同会会員薬局数155)。ジェネリック採用時の選択基準については、選択肢から各薬局が優先順位1~5位を決定し、1位の5点から各位が下がることに1点を減じ、5位1点として総合得点を集計した。

最多は「供給が安定」の309点、「先発品と同じ規格・包装」「先発品と似たデザイン」が各135点、「十分な情報提供」が133点、「添加剤が先発品と同じ」が92点、「薬価が安い」が86点、「薬物動態曲線」が83点、「付加価値」が66点、「判別しやすいデザイン」が63点、「値引き率」が50点だった。

「皮膚科領域外用剤」、「免疫抑制剤」はGE転換に消極的

ジェネリック医薬品使用を積極的には行っていない医薬品群については、トップは「皮膚科領域外用剤」、「免疫抑制剤」、2位以下は順に「抗てんかん薬」、「抗うつ薬」、「抗精神病薬」、「・睡眠薬」、「」など。一方、患者の希望でジェネリック医薬品から先発品に戻った事例の理由も聴取したところ、「先発品に比べ効果が弱い」が45%と最も多く、次いで「使用感が悪い」が23%、「先発品で出なかった副作用が発現」が13%、「先発品と異なる味」が7%、「錠剤が大きい」が3%などとなっていた。

「先発品に比べ効果が弱い」となった薬剤の医薬品群で多かったのは抗不安薬・睡眠薬、、「使用感が悪い」では貼付剤、塗布剤であり、薬局側がジェネリック医薬品への切り替えを推進していないとの回答が多かった医薬品群とほぼ同様だった。

先発品とジェネリックで適応が異なるケースも多くみられるが、今調査では、2011年11月にジェネリック医薬品が登場し、2014年9月にジェネリック医薬品にはない「レビー小体型認知症」の適応追加が行われた認知症治療薬「」について、適応追加後のジェネリック医薬品の使用状況について尋ねている。調査の結果、「適応追加前からジェネリック使用の患者のみに処方」が45%、「元来ジェネリック医薬品は採用していない」が24%、「代替不可でなければ病名確認無しで使用」が14%、「病名を確認して使用」が13%、「適応追加後は使用していない」が3%だった。回答薬局の7割以上がアリセプトのジェネリック医薬品を使用しているものの、適応追加前からのジェネリック継続が半数弱で、新規患者へのジェネリック代替は少ないと考えられる。(村上和巳)

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