■次回連絡会議で対応確認
薬学教育6年制に伴う薬剤師養成のあり方などをめぐって関係者が意見を交わす「新薬剤師養成問題懇談会」(新6者懇)は25日、実務実習の評価のあり方について議論した。既に文部科学省の「薬学実務実習に関する連絡会議」では、コアカリに準拠した実務実習の成果を評価する際に用いる、概略評価表(例示)を作成。それをもとに、日本薬剤師会では、「薬局薬剤師のための薬学生実務実習の手引き 改訂版(仮称)」、日本病院薬剤師会では、「改訂モデル・コアカリキュラムに準拠した病院実務実習の評価」の作成をそれぞれ進めているが、日薬は、複数の評価表が存在することで、「整合性がとれなくなる」と指摘。来月下旬に予定されている文部科学省の「薬学実務実習に関する連絡会議」で、それぞれの評価表をどう取り扱うか確認することとなった。
連絡会議が作成した概略評価表(例示)をもとに、日薬と日病薬では概略評価表の作成をそれぞれ進めているが、それは、調剤を例に挙げても、薬局と病院で業務内容が異なるためだ。
概略評価表で示されている「監査・調剤において特別な注意を要する医薬品を確認し、その適切な取り扱いを行う」を例に挙げると、この例示に対して日薬の手引きでは、「複雑な処方箋であっても再現性よく、スムーズかつ正確な調剤ができている」などの表現を用いているが、日病薬の評価案では、「注射処方箋に従って、無菌的混合操作を実施する」などと記載されている。
懇談会で日薬は、「さらに一部の大学では独自の概略評価表を作成予定との話が出ている」とし、複数の概略評価表が出ている状況で、「どう整合性をとるのか」と問題視。
文部科学省高等教育局医学教育課の前島一実薬学教育専門官は、各団体の概略評価表は、連絡会議の例示をもとに作成されているため、「内容的にも大きくかけ離れてはいない。それぞれの考え方はそろっている」などと理解を求めたが、日薬の山本信夫会長は、「どの評価を使っても良いというのは疑問。一つに統一すべきでは」と指摘。
前島氏は、来月に予定されている連絡会議の場で、関係者に概略評価表を「うまく使っていただけるよう、対応を整理したい」と応じた。
会議では、日病薬から、卒後の初期研修制度の導入に向けて、「協議したい」との提案があった。日薬の山本会長は、卒後研修の実施体制を整えることについて「賛成」を表明。
これを受けて日病薬の石井伊都子理事は、体制整備に向けた「ワーキング・グループを立ち上げるきっかけにしたい」としたが、厚生労働省医薬・生活衛生局総務課の安川孝志課長補佐は、「具体的にどう進めていくかについては引き続き議論させていただきたい」と引き取った。