2年間以上のフォローアップに基づく最新データ
米Merck社は10月18日、抗PD-1抗体「キイトルーダ(R)」(一般名:ペムブロリズマブ)について、PD-L1高発現(全腫瘍細胞のうちPD-L1陽性細胞の割合が50%以上:TPS≧50%)の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の初回治療における単独療法として化学療法と比較する第3相臨床試験「KEYNOTE-024試験」の副次評価項目である全生存期間(OS)の最新データを発表した。2年間以上のフォローアップに基づくデータは、第18回世界肺癌学会(WCLC)で口頭発表された。
KEYNOTE-024試験は、転移性NSCLC患者305例を対象とした第3相臨床試験。キイトルーダを単独投与する群(n=154)、または、標準治療のプラチナ製剤併用化学療法を行う群(n=151)のいずれかに患者を割り付けた。進行性病変に対する全身化学療法歴がなく、EGFR変異またはALK転座が認められず、FDAが承認した診断薬を用いて実施する測定によって、腫瘍組織がPD-L1を高発現していると判断された患者を対象に実施した。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目はOS、奏効率(ORR)、安全性。探索的評価項目は奏効期間。
24か月OS率、キイトルーダで51.5%、化学療法で34.5%
フォローアップ期間が6か月追加された今回の解析では、OSの中央値は、キイトルーダ群で30.0か月(95%CI,18.3–未到達)、化学療法群で14.2か月(95%CI,9.8–19.0)だった。これまでに報告されているデータと同様に、キイトルーダでは化学療法と比較して死亡リスクが37%減少(HR,0.63[95%CI,0.47-0.86];nominal p=0.002)。24か月OS率は、キイトルーダ群で51.5%、化学療法群で34.5%だった。12か月におけるOS率は、キイトルーダ群で70.3%、化学療法群で54.8%だったという。
ORRは、キイトルーダ群で45.5%(95%CI,37.4-53.7)、化学療法群で29.8%(95%CI,22.6-37.8)。奏効期間の中央値は、キイトルーダ群では未到達で(範囲:1.8+か月~20.6+か月)、化学療法群では7.1か月(範囲:2.1+か月~18.1+か月)だった。
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