全世界における研究・開発・商業化に関する契約
アステラス製薬株式会社は10月20日、同社米子会社のアステラス インスティチュート フォー リジェネレイティブ メディシン(AIRM)と、米Universal Cells Inc.が、新規の細胞医療について全世界における研究・開発・商業化に関する独占的ライセンス契約を締結したと発表した。なお、対象疾患は非開示。
再生医療や細胞医療研究の国際的な拠点としての役割を担うAIRMは、アステラス製薬が米オカタ セラピューティクス Inc.を買収した後、2016年5月に設立された。アステラス製薬の100%子会社であり、本社を米国・マサチューセッツ州 Marlboroughに置き、日本のつくば市にある研究チームと連携。既存の治療選択肢がわずかしかないか、全くない眼科領域やその他の治療領域における、再生医療や細胞医療研究の国際的な拠点としての役割を担っている。
免疫拒絶反応をおさえた多能性幹細胞作製技術を活用
今回の提携は、Universal Cells社のユニバーサルドナー細胞(UDC)技術を活用する。UDC技術は、細胞への遺伝子導入ツールのひとつである遺伝子組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を用いた遺伝子編集技術に基づきヒト白血球型抗原(HLA)を改編することで、免疫拒絶反応を抑えた多能性幹細胞を作製する技術。個々の患者のHLAと適合させることなく投与できる細胞医療を創製できるという。
この契約締結に基づき、AIRMとUniversal Cells社が共同で研究を実施する一方、アステラス製薬は自らの費用負担で開発を行い、全世界での商業化に関する権利を取得。これらの対価として、アステラス製薬はUniversal Cells社に、合わせて900万ドルの契約一時金と研究の進捗に応じたマイルストンのほか、研究費、開発の進捗に応じた総額1億1500万ドルのマイルストン、およびロイヤルティを支払うという。
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・アステラス製薬株式会社 プレスリリース