中等症から重症の尋常性乾癬患者対象の第3相臨床試験
スイス・ノバルティスは、「コセンティクス(R)」(一般名:セクキヌマブ)が中等症から重症の尋常性乾癬患者において5年間にわたり、持続的に皮膚症状の寛解をもたらすことを示した、初の第3相臨床試験データを発表した。このデータは、第26回欧州皮膚科学・性病学会議(EADV)で初めて発表されたものである。
コセンティクスは、サイトカインIL-17Aを特異的に阻害するヒトIL-17A阻害薬。中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬としてEU各国、日本、スイス、オーストラリア、米国、カナダなど79か国で承認されている。欧州では、成人患者における中等症から重症の尋常性乾癬に対する全身療法の第一選択薬として、米国では、全身療法または光線療法(光療法)の対象となる成人患者における中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として承認。また、強直性脊椎炎および関節症性乾癬の治療薬としてEU各国および米国など70か国以上で承認された最初のIL-17A阻害薬でもある。なお、同剤の日本での効能・効果は、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬および膿疱性乾癬だ。
44%が1年後に皮膚症状の寛解を達成、5年後反応率は41%
今回結果が発表されたコセンティクスの5年間継続投与試験(A2304E1試験)は、主要な第3相臨床試験であるSCULPTURE試験の、多施設共同二重盲検および非盲検の5年間継続試験。この継続試験の主要目的は、中等症から重症の尋常性乾癬患者における、同剤の長期間の安全性および忍容性を評価することだった。有効性の指標として、PASI 75、PASI 90、PASI 100反応を達成した患者の割合を評価した。
その結果、投与1年後(52週)から投与5年後(260週)までの長期にわたり、PASI 75/90/100反応率は維持。投与1年後には乾癬患者162名において、PASI 75反応は89%、PASI 90反応は69%にみられ(as observed解析)、この反応率は乾癬患者122名において5年後まで維持されたという(PASI 75反応89%、PASI 90反応66%)。さらに、乾癬患者の44%では1年後に皮膚症状の「寛解」(PASI 100)が達成され、この反応率は5年後(41%)まで維持。また、この試験において、同剤の一貫した良好な安全性プロファイルと低い免疫原性が維持されていたという。
なお、国内において同剤は、小児乾癬、強直性脊椎炎、X線上所見の見られない体軸性脊椎関節炎に対する効能追加取得のための臨床試験をそれぞれ実施中だとしている。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース