日薬学術大会前日の7日には、都道府県会長協議会が都内で開かれ、病院の敷地内に薬局を誘致する動きが活発化している状況に懸念を示す声が相次いだ。
宮城県薬剤師会の佐々木孝雄会長は、全国22都道府県で42の医療機関が敷地内薬局の開設や誘致の計画を進めており、そのうち、13が自治体立病院で、日赤病院も5~6例あるなどの数字を示した。
その上で、薬局と医療機関の構造的な独立性に関する規制を緩和する“大義”となった「患者の利便性の確保」が、今では「病院のビジネスモデルに変化している」などとし、日薬に対して「あらゆるチャンネルを通じて反対を訴えていただきたい」と要望した。
広島県薬剤師会の豊見雅文会長は、県内で開設を目指している市立病院が敷地内ではなく、「建物内薬局」の誘致を計画していることを報告。「院内調剤とほぼ変わらないにもかかわらず、患者は高い処方箋料と調剤基本料を払うことになり、単に患者の負担が増えるだけの薬局ができてしまう」と批判した。
敷地内薬局がビジネスモデルとして成り立たないようにするため、処方箋料や調剤基本料の適正化など「日薬としての主張をお願いしたい」と述べた。
■付け替え請求は「ゼロ」-自主点検結果を公表
この日の協議会で日薬は、一部の調剤薬局チェーンで発覚した調剤報酬の付け替え請求事案を受け、会員薬局を対象に行った自主点検の結果を公表。付け替え請求を申告した薬局はなかったものの、未回答の薬局が3442軒あった。
調査は8月8日から9月15日にかけて実施。直近1年間に応需した処方箋について、付け替え請求を行ったかどうかについて聞いた。自主点検の対象となった4万8826薬局のうち、回答した4万5384薬局(93%)が「処方箋の付け替えは認められなかった」としたが、未回答の薬局が3442薬局(7%)あった。既に付け替え請求が発覚しているクオール、アイセイ薬局などは未回答に含まれているという。