確定診断までの年数が平均7年の慢性的な炎症性皮膚疾患
アッヴィ合同会社は10月4日、ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体「ヒュミラ(R)」(一般名:アダリムマブ)について、化膿性汗腺炎(HS)を予定される効能・効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品指定を取得したことを発表した。
HSは、思春期以降に多く発症し、疼痛を伴う慢性的な炎症性皮膚疾患。炎症症状は、腋窩、鼠径部、乳房、臀部などに頻発する。主な症状は、赤くはれ上がったおできのような症状だが、進行すると結節、膿瘍、さらには瘻孔の形成まで至り、繰り返すと病変部が肥厚し瘢痕化する。重症になると日常の活動が制限されることがあり、就業が困難になるケースもある。
海外での有病率は1%と報告されており、細菌による感染症と誤認されることも多いが、感染は主原因ではないとされている。疾患の認知度が低いことや診断が困難であることなどから、海外の報告によると、確定診断に至るまでの年数は平均7年。乾癬など他の炎症性皮膚疾患よりも長く、受診回数も多いことがわかっている。
承認されれば日本初の化膿性汗腺炎の治療薬に
ヒュミラのHSへの適応は現在、日本では開発中で、その安全性および有効性は確立されていない。HSへの効能・効果が承認されれば、日本ではヒュミラが初めて適応をもつ医薬品となる。
日本国内では現在、既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬・関節症性乾癬・強直性脊椎炎・腸管型ベーチェット病・非感染性の中間部、後部または汎ぶどう膜炎、中等症または重症の活動期にあるクローン病の寛解導入および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)、中等症または重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)に適応がある。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース