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オラパリブ、BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がんで希少疾病用医薬品指定-AZ

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2017年10月03日 AM11:30

悪性度が高いBRCA遺伝子変異陽性乳がん

アストラゼネカ株式会社は9月29日、現在開発中のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤「Olaparib」()が、「BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がん」を予定される効能・効果として、厚生労働大臣より希少疾病用医薬品()の指定を受けたと発表した。

BRCA遺伝子変異陽性乳がんの推定患者数は、日本で約6,000~1万0,000人とされる。散発性の乳がんとは異なる病態的特性を持つことから、HBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome:遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)という確立された疾患概念の一部として認識されている。さらに、BRCA遺伝子変異陽性乳がんは、悪性度が高く予後が不良である可能性が示唆されており、その分子生物学上の特性を考慮した治療薬が求められている。

P3試験で統計学的に有意なPFSの延長示す

今回の指定は、同社が生殖細胞系列のBRCA遺伝子(BRCA1またはBRCA2遺伝子)に変異を有するHER2陰性転移性乳がん患者対象に行った国際共同第3相試験(OlympiAD試験)の結果に基づくもの。同試験において、オラパリブ300mg1日2回投与の治療を受けた患者の無増悪生存期間(PFS)は、医師が選択した化学療法(カペシタビン、エリブリン、ビノレルビンのいずれかを選択)との比較で、統計学的に有意かつ臨床的に有意義な延長を示した(ハザード比0.58;95%信頼性区間0.43-0.80;p=0.0009;中央値7.0か月対4.2か月)。また、安全性についても、過去の試験と概ね一貫した許容可能な安全性プロファイルを示していたという。

オラパリブは、BRCA遺伝子変異陽性卵巣がん患者の治療薬としてEUおよび米国の規制当局により承認されている。現在、、前立腺がん、膵臓がんを含む一連のがん種での併用治療が検討されている。(遠藤るりこ)

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