自覚症状に乏しく画像診断でも発見されにくい膵臓・胆管がん
岡山大学は9月28日、膵臓・胆管がん患者の唾液では健常者の唾液と比較して、microRNAの一種「miR-1246」と「miR-4644」の発現量が高いことを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授と岡山大学病院新医療研究開発センターの丸山貴之助教、同研究科消化器・肝臓内科学分野の岡田裕之教授らの共同研究グループによるもの。研究成果は、英オンラインジャーナル「Oncology Reports」で公開されている。
画像はリリースより
膵臓・胆管がんは自覚症状に乏しく、また、その解剖学的位置関係から画像診断でも発見されにくい。そのため、症状が進行してから発見されることから、予後が不良であり、がんの早期発見が可能なバイオマーカーの開発が求められている。
一方、体液中のmicroRNAは、さまざまながんのバイオマーカーになりうるとの報告がある。これまで、血清中のmicroRNAに関する研究は行われていたが、唾液中のmicroRNAに関する研究はほとんど行われていなかった。
簡便で侵襲性のない唾液検査での早期発見に期待
研究グループは、岡山大学病院に入院中の膵臓・胆管がん患者と健常者の唾液に含まれるmicroRNAを比較。比較したmicroRNAは、過去の血清を用いた研究で膵臓・胆管がん患者に関連があると報告されているmiR-1246、miR-4306、miR-4644であった。
その結果、膵臓・胆管がん患者の唾液は健常者の唾液と比較して、miR-1246とmiR-4644の発現が高いことが判明。このことから、簡便で侵襲性のない唾液検査で膵臓・胆管がんの早期発見が可能になることが期待される、と研究グループは述べている。
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・岡山大学 プレスリリース