世界70か国以上で承認済みの経口CDK4/6阻害剤
ファイザー株式会社は9月27日、手術不能または再発乳がんの効能・効果で、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤「イブランス(R)カプセル25mg、125mg」(一般名:パルボシクリブ)の製造販売承認を取得したと発表した。CDK4/6阻害剤の承認は国内初。
CDK4/6は、細胞周期の調節に主要な役割を果たしており、細胞増殖を引き起こす。新規経口分子標的薬であるイブランスは、CDK4および6を選択的に阻害して、細胞周期の進行を停止させることにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。同剤は、世界で初めて米国食品医薬品局(FDA)に承認され、世界70か国以上、7万人以上の患者に使用されている。
内分泌療法との併用で臨床的に意義のある有効性
今回の承認は、日本も参加した2つの国際共同第3相試験(PALOMA-2試験とPALOMA-3試験)、および海外/国内第2相試験の結果に基づくもの。これらの試験の結果、イブランスは、進行乳がんに対して内分泌療法との併用にて臨床的に意義のある有効性が認められ、同社は、2016年10月に国内での製造販売承認申請を行っていた。
PALOMA-2試験では、ER+HER2-の閉経後進行乳がん患者666名を対象に、初回内分泌療法としてパルボシクリブとレトロゾール併用を検討。プラセボとレトロゾール併用投与群と比較して、パルボシクリブとレトロゾール併用投与群では有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が認められた。PFS中央値は、パルボシクリブとレトロゾール併用投与群で24.8か月、プラセボとレトロゾール併用投与群で14.5か月だった。
PALOMA-3試験では、内分泌療法を受け疾患進行を認めたHR+HER2-進行乳がん患者(閉経の有無を問わない)521名を対象に、パルボシクリブとフルベストラント併用を検討。プラセボとフルベストラント併用投与群と比較して、パルボシクリブとフルベストラント併用投与群では有意なPFSの延長が認められ、中間解析の結果、試験は有効中止となった。PFS中央値は、パルボシクリブとフルベストラント併用投与群で9.2か月、プラセボとフルベストラント併用投与群で3.8か月だった。
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・ファイザー株式会社 ニュースリリース