経口の選択的JAK1阻害薬「upadacitinib」
米アッヴィ社は9月11日、経口の選択的JAK1阻害薬「upadacitinib」(ABT-494)について、生物学的製剤(bDMARDs)で十分な効果が認められなかった、またはbDMARDsに不耐性の中等度から重度の関節リウマチ(RA)患者対象の第3相SELECT-BEYOND試験の主要な結果を発表した。SELECT RA臨床試験プログラムに含まれる6試験のうち、2つ目の同試験の詳細な結果は、今後開催される学会およびピアレビュー論文で発表される予定だ。
同試験は、2用量(15mgおよび30mg1日1回投与)のupadacitinibの安全性および有効性を評価するためにデザインされた第3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験。bDMARDsで十分な効果が認められなかった、またはbDMARDに不耐性であり、一定用量の従来型合成DMARD(csDMARD)を服用している中等度から重度の成人関節RA患者を対象とした。主要評価項目は、12週間投与後のACR20改善率および低疾患活動性(LDA)達成率。副次的評価項目は、12週時点のACR50改善率およびACR70改善率だった。
同試験において、upadacitinibの2用量群で、主要評価項目のACR20の改善およびLDAを達成。すべての重要な副次的評価項目も両用量群で達成した。
15mg群のACR70を除いて各用量群統計学的に有意な達成率
12週時点の結果によると、15mgまたは30mgのupadacitinibを1日1回経口投与した患者のうち、ACR20/50/70に達した患者の割合は、15mg群でそれぞれ65/34/12%、30mg群で56/36/23%であり、プラセボ群では28/12/7%だった。15mg群のACR70を除いて、各用量群の達成率は、すべてプラセボと比較して統計学的に有意だった(p<0.001)。
また、12週時点で、upadacitinibの両用量群は、プラセボ群と比較し有意に多くの患者が、LDAおよび臨床的寛解を達成した(p<0.001)。LDAの達成率は、15mg群および30mg群でそれぞれ43%および42%で、プラセボ群では14%だった。臨床的寛解の達成率は、15mg群および30mg群でそれぞれ29%および24%で、プラセボ群では10%だった。
これらの結果は24週まで持続。同試験への組み入れ時からupadacitinibを投与した患者のうち、24週時点でACR20/50/70に達した患者の割合は、15mg群で62/43/22%、30mg群で59/43/24%。LDAの達成率は、両用量群で52%だった。臨床的寛解の達成率は、15mg群および30mg群でそれぞれ32%および35%。プラセボ群のすべての患者に12週時点からupadacitinib15mgまたは30mgを投与したため、24週時点でプラセボとの比較は行っていない。
同社は、複数の免疫関連疾患に対するupadacitinib適応の可能性について検討を続けている。関節症性乾癬を対象としたupadacitinibの第3相試験が進行中で、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、アトピー性皮膚炎の治療薬としての開発も進められている。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース