選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬
シャイアー・ジャパン株式会社と塩野義製薬株式会社は9月20日、日本において実施した「インチュニブ(R)」(一般名:グアンファシン塩酸塩)の成人の注意欠如・多動症(ADHD)患者を対象とした第3相臨床試験において、主要評価項目を達成したことを発表した。
インチュニブは、ADHD治療薬として初めての作用機序である選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬。1日1回投与の非中枢刺激薬で、日本を含む世界36か国においてADHDの小児患者(6~17歳)の治療薬として承認を取得している。今回、世界に先駆けて日本で成人患者(18歳以上)を対象とした臨床試験を実施し、良好な結果が得られたという。
ADHD評価スケールの変化量、プラセボに比べ統計的に有意に改善
この試験は、成人ADHD患者を、同剤投与群またはプラセボ投与群に1:1の割合で無作為に割り付けたプラセボ対照二重盲検比較試験。投与10週後の有効性・安全性を検討した。試験の結果、主要評価項目であるADHD評価スケールのベースラインからの変化量において、同剤投与群はプラセボ投与群に比べ、統計的に有意な改善を示した。また、臨床的に重要な副次評価項目である臨床全般改善度においてもプラセボ投与群に比べ、統計的に有意な改善を示したという。
同剤投与群における安全性および忍容性に関しては、特段の問題は認められなかった。10%以上の割合で発現が認められた有害事象は、傾眠、口渇、血圧低下、鼻咽頭炎、体位性めまい、便秘。両社は今後、試験結果の解析を進め、詳細データの開示も検討するとしている。
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