ソラフェニブが対照薬の臨床第3相試験の部分集団解析で
エーザイ株式会社は9月19日、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんにおける、ソラフェニブを対照薬としたレンバチニブメシル酸塩(製品名:レンビマ(R)、Kisplyx(R))の臨床第3相試験「REFLECT/304試験」における、B型肝炎ウイルス(HBV)由来の肝細胞がん患者の部分集団解析結果を、韓国・ソウルで開催された第11回国際肝癌学会(ILCA)年次総会で発表した。
画像はリリースより
304試験は、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんの患者954人を対象とした、レンバチニブと標準治療薬であるソラフェニブとの有効性および安全性を比較する多施設共同、非盲検、無作為化グローバル臨床第3相試験。同試験には、954人の患者が各投与群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、レンバチニブ群では、体重によって1日1回12mgまたは8mgが投与され、ソラフェニブ群では1回400mgを1日2回投与された。投与は病勢進行あるいは忍容できない有害事象の発現まで継続された。
同試験の主要評価項目は全生存期間(OS)で、非劣性の検証を目的に実施。また、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、奏効率(ORR)、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)などを評価した。
HBV由来の肝細胞がん患者でOS、PFS、TTPのハザード比の数値の低下
今回、新たに発表された解析結果では、レンバチニブは、HBV由来の肝細胞がん患者の部分集団において全体集団よりもOS、PFS、TTPのハザード比の数値の低下、ORRのオッズ比の数値の増加を示した。従来の薬物療法において治療効果の低減が示唆されているHBV由来の肝細胞がん患者に対しても優れた効果を示したことから、新たな治療オプションとなることが期待されるという。
同試験の全体集団を対象とした解析では、レンバチニブは、ソラフェニブに対して、OSにおいて、全身化学療法として初めて統計学的な非劣性を証明。副次評価項目であるPFS、TTPの中央値、およびORRについては、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示していた。
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