データを保存していないことが多いPOC検査
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社は9月14日、同社事業戦略説明会において、新製品としてオープンデータマネジメントソリューション「POCcelerator(ポクセレレーター)」を10月1日に発売すると発表した。
画像はリリースより
POC(Point of Care)検査は、集中治療室(ICU)、手術室、検査室、外来など、院内のさまざまな場で行われ、患者にとって最適なケアを提供している。一方、院内に点在するPOC検査装置は、院内の情報システム(HIS/LIS)に繋がらずに単独で使用されており、検査結果や精度管理などのデータが保存されていないことが多い。また、施設によっては、複数のシステムベンダーが混在することで、データの管理やシステムの保守などの業務が煩雑であることが問題となっている。
POC事業本部若林氏「検査装置管理のデファクトスタンダード達成を」
POC事業本部アジアパシフィック代表 若林正基氏
今回発売が発表されたPOCceleratorは、各医療現場に分散しているPOC検査装置を一元管理し、HIS/LISと連結することで、臨床現場だけでなく管理部門の業務効率を大幅に改善するという。また、接続装置の精度管理・較正結果のモニタリングにより、装置および検査結果の信頼性を担保できる点や、オペレーターが研修未実施の場合はロックアウトを行い不適切な使用を防止したり、各装置の試薬の有効期限の確認、在庫管理、ミドルウェアやサーバーのコストを削減できたりするなどのベネフィットがあるという。
POCceleratorの今後の展望について、シーメンスヘルスケア社のPOC事業本部アジアパシフィック代表の若林正基氏は、「導入施設の拡大」と「データ管理やリモートコントロールなどのさらなる高機能次世代ソフトウェアの開発を行い、POC検査装置管理のデファクトスタンダード達成を目指したい」と述べた。
なお、同製品は9月21~23日にパシフィコ横浜で開催される「JACLaS EXPO 2017 臨床検査機器・試薬・システム展示会」で紹介予定。