■協会けんぽ静岡支部がパイロット事業
主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)静岡支部では、所有する膨大なレセプトデータを用いて、県内1700薬局の後発品使用促進への取り組み状況を客観的に示した情報誌を全薬局に送付すると共に、各薬局が後発品促進にどのような課題を抱えているかなどを分析し、全薬局に情報提供を行う取り組みを進めている。自薬局の立ち位置を明確にし、課題を浮き彫りにすることで、より後発品を調剤しやすい環境を整えることを目的としたもの。2016年度のパイロット事業で、静岡支部にだけ本部から予算措置が行われた。これまで、後発品の使用促進に向けた保険者の取り組みとしては、被保険者への差額通知の配布くらいしかなかったが、支払側から診療側への能動的なアプローチは全国でも例がなく、注目を集めそうだ。
同支部では、医療者側への働きかけができないか検討していたところ、医療機関から変更不可の処方箋が出されない限り、後発品を調剤する役割を担っている薬局に目をつけ、県内全ての薬局に「ジェネリック通信」を配布することを思いついた。