■「症例集積期待できない」
新薬開発の効率化を目的とした治験ネットワークについて、「あたかも一つの医療機関」として機能し、症例集積性の向上や手続きの効率化が期待されていたものの、実際に製薬企業が治験ネットワークを活用した試験は約2割にとどまることが、日本製薬工業協会医薬品評価委員会の調査で明らかになった。医療機関の受託実績もわずかな増加にとどまっており、治験ネットワークが伸び悩んでいる実態が浮かび上がった。治験を依頼する企業が治験ネットワークの活用を検討しなかった最大の理由に、症例集積性が期待できないこと、手続きが煩雑であることが挙げられ、魅力なしと判断していた。
医薬品評価委員会は、「このままの状態では、依頼者が治験ネットワークを前向きに活用することは決してない」と厳しく指摘。主体的な施策の改善がなければ、「大部分の治験ネットワークの活動は困難になる」と警鐘を鳴らした。