エンドカンナビノイドの分解を抑制しCB1受容体シグナルを活性化
大日本住友製薬株式会社と丸石製薬株式会社は9月6日、大日本住友製薬が創製した非臨床段階の開発化合物である脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)阻害剤について、日本および米国における、悪心・嘔吐を対象とした独占的な開発・製造・販売権などに関するライセンス契約を締結したと発表した。
同剤は、大日本住友製薬の精神神経領域の創薬活動によって見出だされた化合物。ニューロンに発現するFAAHは、エンドカンナビノイドの一種「アナンダミド」の主たる加水分解酵素として、神経活動で重要な役割を担っており、同剤は、このFAAHを阻害することでアナンダミドをはじめとするエンドカンナビノイドの分解を抑制。エンドカンナビノイドがカンナビノイド受容体の1つであるCB1受容体シグナルを活性化することで、制吐作用を示すことが期待される。
2015年のオープンイノベーション活動が契機
今回の契約は、2015年に実施したオープンイノベーション活動「PRISM」(Partnership to Realize Innovative Seeds and Medicines)において同剤の新規開発適応症を公募したことを契機として締結に至ったという。
契約に基づき、丸石製薬は、大日本住友製薬に対して契約一時金および開発マイルストンを支払い、販売後は、販売額に応じたロイヤルティおよび販売額の目標達成に応じた販売マイルストンを支払う予定。
▼関連リンク
・大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース