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DPP-4/SGLT2阻害剤の配合剤、2型糖尿病治療での相加効果とは-田辺三菱と第一三共がセミナー開催

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2017年09月06日 PM03:00

テネリグリプチンにカナグリフロジン上乗せ、HbA1c値の有意な低下

田辺三菱製薬株式会社と第一三共株式会社は8月31日、選択的DPP-4阻害剤「テネリア(R)錠」(一般名:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物)とSGLT2阻害剤「(R)錠」(一般名:カナグリフロジン水和物)の配合剤「(R)配合錠」が、2型糖尿病を効果・効能として製造販売承認を取得したことを受けて、メディアセミナーを開催した。

同セミナーでは、食事療法・運動療法に加えて、テネリグリプチン20mg/日の単独投与で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者138例(7.0%≦HbA1c値<10.5%)を対象とした国内臨床試験の結果が発表された。同試験は、テネリグリプチン20mg/日にプラセボを上乗せする群、カナグリフロジン100mg/日を上乗せする群に無作為に割り付け(二重盲検)、1日1回、24週間併用投与し、併用投与の有効性・安全性を検討することが目的。主要評価項目は、最終評価時(24週)のHbA1c値変化量だった。

試験の結果、最終評価時のHbA1c値変化量は、プラセボ上乗せ群の-0.10%に対して、カナグリフロジン上乗せ群では-0.97%という結果になり、両群間に有意差が認められた。副次評価項目のHbA1c値変化量の推移については、カナグリフロジン上乗せ群では投与4週後から、プラセボ上乗せ群に対して有意なHbA1c値の低下が認められたという。

また、その他の副次評価について、最終評価時の食後2時間血糖値変化量は、プラセボ上乗せ群の-9.2mg/dLに対して、カナグリフロジン上乗せ群では-60.1mg/dL。Incremental食後2時間血糖値変化量は、プラセボ上乗せ群の-8.9mg/dLに対してカナグリフロジン上乗せ群では-25.1mg/dL。いずれもプラセボ上乗せ群に対して、有意な低下が認められた。最終評価時の体重変化量は、プラセボ上乗せ群の-0.78mg/dLに対して、カナグリフロジン上乗せ群では-2.29kgという結果になり、プラセボ上乗せ群に対して有意差が認められた。体重変化量の推移については、カナグリフロジン上乗せ群では投与4週後から、プラセボ上乗せ群に対して有意差が認められた。最終評価時の収縮期血圧変化量は、プラセボ上乗せ群の-1.28mmHgに対してカナグリフロジン上乗せ群では-4.14mmHg、拡張期血圧変化量は、プラセボ上乗せ群の-0.84mmHgに対してカナグリフロジン上乗せ群では-1.64mmHgだった。

門脇氏「相加的な効果により、糖尿病のさまざまな病態に対応」


東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
門脇孝氏

同セミナーでは、東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授の門脇孝氏が講演。門脇氏は、DPP-4阻害剤とSGLT2阻害剤の配合剤の利点として、「相加的な効果により、糖尿病のさまざまな病態に対応できる」点と、「DPP-4阻害剤が効きにくい患者に対して、(SGLT2阻害剤が)効きにくさを解除する」点を挙げた。

副作用については、とくにシックデイの対応について解説。SGLT2阻害剤は、「脱水などさまざまな副作用がおこる可能性がある」(門脇氏)ため、シックデイの間の使用は注意するよう改めて注意喚起した。

最後に、門脇氏は今後の糖尿病治療についても触れ、「糖尿病とその合併症を『治らない疾患』から『治せる疾患』に」と述べた。カナリアについて門脇氏は、完全に「治せる疾患」にできる薬剤ではないが、「糖尿病とその合併症の多様な病態のうち、かなりの病態に対して対応できる。患者さんの(症状)のより良い改善につながる」とした。

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