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心磁図検査が不整脈原性右室心筋症における致死性不整脈の発症予測に有効-国循

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2017年09月01日 PM02:00

ICD植込を検討するための明確な指標に

国立循環器病研究センターは8月30日、心磁図検査が不整脈原性右室心筋症()における致死性不整脈の発症予測に有用であると明らかにしたと発表した。この研究は、同院心臓血管内科の不整脈科と研究所循環動態制御部の共同研究チームによるもの。研究成果は「Circulation Journal」に掲載されている。


画像はリリースより

ARVCは、致死性不整脈や突然死を起こしやすい、予後不良の疾患。ARVC患者の心筋には脂肪変性や線維化が生じているために、心筋の発する電気信号に異常を生じさせることがわかっている。そのため、心室頻拍や心室細動など重篤な不整脈が出現し、死に至ることもある。ARVCによる突然死は植込型除細動器(ICD)の装着により回避可能になるが、ICD植込を検討するための明確な指標はこれまでなかった。

心臓の電気的活動の終末期に微弱な電気信号が再増強

研究チームは、2016年11月にも心磁図検査で拡張型心筋症の予後予測が可能であることを明らかにしており、今回はARVC患者において、従来の検査法では検出困難な右室の電気的活動の異常を心磁図で見つけ出すことができるか、またそれが致死性不整脈の予測に有効であるかを検証。ARVC患者40例に対し、64チャンネル心磁計で右室の電気信号を測定した。

測定から得られた心磁波形をもとに、株式会社日立製作所が開発した電流分布画像化技術を用いて、電気信号の伝播を観察した結果、24例(60%)において心臓の電気的活動の終末期に、通常認められない微弱な電気信号が再増強する現象が認められたという。さらに、この微弱な電気信号の再増強のタイミングを測定したところ、より遅いタイミングで再増強を認める症例(12例)では、その後の追跡期間(中央値42.5か月)で致死性不整脈を起こしたのは6例(50%)、再増強なしもしくは再増強のタイミングが比較的早い症例(28例)では致死性不整脈を起こしたのは2例(7%)のみだったという。なお、心電図や加算平均心電図など従来の手法では致死性不整脈予測の有効性は証明されなかったとしている。

今回の研究成果により、心磁図検査で心臓の電気信号の再増強の有無やタイミングを調べることがARVC患者の致死性不整脈発生予測に有用であることが明らかになった。今後について研究グループは、「カテーテルアブレーションによる不整脈治療の効果判定や、他のさまざまな心疾患患者の電気生理学的な病態解明が進むことが期待されます」と述べている。

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