SBMAの進行に対する治療剤としては、世界初の承認
武田薬品工業株式会社は8月28日、「リュープリン(R)SR注射用キット11.25mg」(一般名:リュープロレリン酢酸塩)について、「球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の進行抑制」の効能追加承認を厚生労働省より取得したことを発表した。
今回の効能追加承認取得は、主として、名古屋大学神経内科が中心となってSBMA患者対象にリュープリンSRの有効性および安全性を検討した医師主導治験の結果に基づき評価されたもの。SBMAの進行に対する治療剤としては、世界初の承認となる。
脳下垂体の反応性を低下させることで性ホルモンの産生抑制
リュープリンSRは、同社で合成された高活性のLH-RHアゴニスト(黄体形成ホルモン放出ホルモン誘導体)の12週間持続徐放性注射用製剤。脳下垂体に持続的に作用し、脳下垂体の反応性を低下させることで性ホルモンの産生を抑制する。国内では、前立腺がん、閉経前乳がんなどのホルモン依存性疾患の治療剤として使用されている。
SBMAは、成人男性で発症するX連鎖性の下位運動ニューロン疾患で、筋萎縮が特徴。ポリグルタミンを有する変異アンドロゲン受容体(AR)が核内に異常蓄積することで、男性ホルモン依存的神経細胞障害が生じる。通常30~60歳ごろに発症することが多く、緩徐進行性の経過を辿り、末期には車イスでの生活や寝たきりの生活を余儀なくされ、誤嚥性肺炎を繰り返す。日本では指定難病に定められており、特定疾患医療受給者証所持者数は、平成26年度厚生労働省特定疾患調査研究より1,223人と報告されている。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース