ATG未治療のAAへの適応は日本が世界に先んじての取得
ノバルティス ファーマ株式会社は8月25日、「レボレード(R)錠12.5mg・25mg」(一般名:エルトロンボパグオラミン)について、再生不良性貧血(aplastic anemia:AA)に対する適応追加の承認を取得し、「ネオーラル(R)内用液10%/ネオーラル(R)10mg・25mg・50mgカプセル」(一般名:シクロスポリン)の非重症のAAに対する承認も取得したと発表した。
今回の承認によって、抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン(anti-thymocyte globulin:ATG)未治療あるいは既存治療で効果不十分なAAの患者への治療選択肢にレボレードが加わることとなる。さらに、非重症のAAの患者へのネオーラルの使用も可能となる。なお、既存治療で効果不十分な患者に対するレボレードの承認は、すでに承認取得済みの欧米と足並みを揃えるもの。ATG未治療のAAへの適応としては、日本が世界に先んじての取得となる。
レボレードは、トロンボポエチン受容体との特異的な相互作用を介して、巨核球や骨髄前駆細胞の増殖および分化を促進させる経口投与が可能なトロンボポエチン受容体作動薬。ネオーラルは、T細胞を活性化するシグナル伝達を阻害し、インターロイキン-2に代表されるサイトカインの産生を抑制することで、免疫抑制作用を示す。
国内第2/3相試験の結果に基づく承認
今回のレボレードの承認は、既存治療で効果不十分なAA患者21名を対象とした国内第2/3相試験「E1201試験」およびATG未治療のAA患者10名を対象とした国内第2/3相試験「E1202試験」の結果に基づくもの。E1201試験における投与26週時の血液学的反応率[95%信頼区間]は47.6%[25.7,70.2]、E1202試験における治療26週時の奏効率[95%信頼区間]は70.0%[34.8,93.3]。レボレードは、日本人のAA患者の汎血球減少を改善するとともに、ATGおよびシクロスポリン(CsA)との併用において既存治療を上回る治療効果を示したという。また、国内臨床試験における日本人AA患者に対するレボレードの安全性プロファイルにおいて、新たなリスクは特定されなかった。主な副作用は、筋肉痛、血中アルカリフォスファターゼ増加、血中ビリルビン増加、悪心、肝機能異常、高ビリルビン血症、発疹などだった。
また、ネオーラルの承認は、国内第2/3相試験「E1201試験」「E1202試験」において、非重症のAAに対してもネオーラルの有効性が示されたこと、公表文献に基づく評価で、非重症のAAに対するネオーラル単独投与時およびATGとの併用投与時におけるネオーラルの有用性が確認された結果に基づいている。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース