米リジェネロン社から導入した抗NGF抗体
田辺三菱製薬株式会社は8月17日、完全ヒト型抗ヒトNGF(Nerve Growth Factor)モノクローナル抗体「MT-5547」(一般名:Fasinumab)について、変形性関節症患者対象の国内第2/3相臨床試験(J01試験)を開始したと発表した。
MT-5547は、米リジェネロン社から導入した抗NGF抗体。疼痛発生時に分泌されるNGFと結合し、NGFの作用を阻害することにより、疼痛を緩和させる。欧米では、変形性関節症および慢性腰痛症患者の慢性疼痛の治療薬として、開発が進められている。同社とリジェネロン社とは、2015年9月29日に同剤に関する日本、韓国およびその他のアジア9か国(中国を除く)における独占的開発・販売権に係るライセンス契約を締結している。
変形性関節症患者の疼痛に対する治療効果を評価
同試験は、中等度および重度の痛みを有する変形性膝関節症または変形性股関節症患者に、MT-5547を投与した際の有効性および安全性を、プラセボを対照として検証する無作為化二重盲検比較試験。有効性の主要評価項目のWOMAC(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)痛みスコアの16週におけるベースラインからの変化量をプラセボと比較することで、変形性関節症患者の疼痛に対するMT-5547の治療効果を評価する。
変形性関節症は、関節の軟骨がすり減って、膝、股、手、足、脊椎に痛みや腫れが起こる疾患。軟骨の下の骨が硬くなったり、骨棘ができたりすることで関節の変形が起こる。症状が進行すると、関節の動きが悪くなることもある。既存治療よりも鎮痛効果が高く、副作用の少ない治療方法が求められている。
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・田辺三菱製薬株式会社 ニュースリリース