国家公務員の給与は、民間企業の4月分の給与を調査した上で比較し、官民差を埋めることを基本に勧告を行っている。特別給(期末・勤勉手当)についても、民間ボーナスの過去1年間の支給実績を把握し、国家公務員の支給月数を合わせている。
給与勧告を行うため、全産業をカバーする全国約1万2400の民間事業所の約53万人を対象に個人別給与を調査した。それによると、今年4月の減額前の国家公務員給与は民間を631円(0.15%)下回り、ボーナスは昨年8月から今年7月までの民間の支給割合が4.42カ月に対し、公務員の支給月数は4.30カ月と下回ったことから、民間の支給割合に見合うよう0.1カ月引き上げることにした。
公的病院等に勤務する薬剤師は、栄養士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士等と共に医療職俸給表(二)が適用される。薬剤師の初任給は20万7800円と、昨年度より1000円アップした。
今年の民間給与調査によると、昨年度中に薬剤師免許を取得し、今年4月までに採用された準新卒薬剤師の初任給が企業規模100人以上500人未満では22万5158円、500人以上では22万3230円と、昨年よりも2000円程度下回ったものの、依然として民間の初任給と2万円程度の差が見られる。
今年の国家公務員給与等実態調査では、医療職俸給表(二)の適用職員数は458人で、平均年齢は45.9歳と昨年に比べて0.4歳上がり、平均経験年数は20.8年と0.4年増えた。
■民間初任給はダウン‐平均22万4419円に
また人事院は、従業員50人以上の事業所を対象に17年4月現在の民間給与実態の調査結果を公表した。準新卒の薬剤師初任給は、時間外手当や家族手当、通勤手当等を除き平均22万4419円で、昨年より825円ダウンした。企業規模が500人以上では22万3230円と2134円のダウン、100人以上500人未満でも22万5158円と1868円のダウンとなり、500人以上の企業より100人以上500人未満の企業で初任給が高い状況は変わっていない。民間給与はダウンしたものの、公務員薬剤師の初任給と1万5000~7000円程度の差が見られている。
医療関係職種の時間外手当を差し引いた4月支給分の平均給与額を見ると、薬剤師が平均年齢37.6歳で33万4052円、薬剤師2人以上の部下がいる薬局長は平均年齢51.5歳で48万8181円となった。昨年に比べて、一般の薬剤師の平均給与は前年並みの約5800円アップとなったが、薬局長は、昨年の約2400円のダウンから約1万4000円の大幅アップに転じた。