医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 抗がん剤FF-10101、再発・難治性の急性骨髄性白血病対象のP1試験を米国で開始-富士フイルム

抗がん剤FF-10101、再発・難治性の急性骨髄性白血病対象のP1試験を米国で開始-富士フイルム

読了時間:約 1分1秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年08月10日 PM02:45

FLT3変異によって白血病細胞が異常増殖し、予後不良に

富士フイルム株式会社は8月8日、米国において、再発・難治性の急性骨髄性白血病()の患者を対象とした、」の臨床第1相試験を開始したと発表した。

AML患者の約3割には、造血幹細胞の増殖に関与するタンパク質「」に遺伝子内縦列重複(ITD)変異あるいはチロシンキナーゼドメイン()変異が認められており、それらFLT3変異によって白血病細胞が異常増殖し、予後の悪さに繋がると考えられている。そのため、FLT3変異の働きを阻害することで白血病細胞の増殖を抑制するFLT3阻害剤が注目されている。

マウス実験では、白血病細胞を大幅に減少させる

FF-10101は、同社が創製したFLT3阻害剤。FLT3に含まれるアミノ酸と不可逆的に結合して、その働きを阻害し、白血病細胞の異常増殖を抑制する。細胞実験では、FF-10101が、他のFLT3阻害剤に耐性を示すTKD変異が発現している白血病細胞の増殖に対して、強力な阻害作用を示したという。さらに、白血病の患者細胞を用いたマウス実験でも、ITD変異やTKD変異を持つ白血病細胞を大幅に減少させ高い効果を発揮したという。

AMLは、血液がんの一種で、血球を作る造血幹細胞ががん化し、そのがん化した造血幹細胞が骨髄中で増殖して十分な量の血球を作ることができなくなるとともに、増殖した白血病細胞が骨髄外の組織に入り込んで障害を引き起こす難治性疾患。5年生存率約30%ほど。現在、AMLの新規患者数は、米国で年間約2万人と推定されている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK