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胃がん手術前後の運動トレーニングに関する試験開始を発表-東大病院とライザップ

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2017年08月09日 PM01:45

サルコペニアや術後の合併症を予防できるかを検証

東京大学医学部附属病院22世紀医療センター肥満メタボリックケア(社会連携講座)は8月7日、東京大学とライザップ株式会社との共同で、「運動・栄養介入による胃がん周術期のサルコペニア予防効果に関するランダム化比較試験」を9月から開始すると発表した。今回の研究では、手術前後に筋肉トレーニングを中心とした運動とタンパク質の適切な摂取を行うことで、サルコペニアや術後の合併症を予防できるかの検証を目的としている。


画像はリリースより

消化器がん手術では、サルコペニアが術後の合併症を増加させたり、化学療法の治療成績を低下させたりすることが知られている。とくに胃がん術後は食事量が減少するため、体重減少やサルコペニアの発生率が高く、QOLや治療の継続性に直結する問題となっている。近年、サルコペニアの治療として、タンパク質の摂取や筋肉トレーニングの重要性が示されるようになり、手術前の運動・栄養介入が術後の合併症を軽減させる可能性が指摘されている。

試験参加者の募集開始は9月1日を予定

今回の臨床試験の対象は、同附属病院胃・食道外科にて胃がん手術を受ける65歳以上80歳以下の患者。胃がん手術の方針決定後に、対照群と試験群にランダムに割り付けられる。対照群に割り付けられた場合は、通常通り手術を受け、試験群に割り付けられた場合は、手術の前後に運動トレーニングと補助栄養食品摂取を行う。トレーニングは、トレーナーの個別指導の下、参加者の体力に合わせ週2回実施。手術などの胃がん治療に関しては対照群と同一の内容を行う。

そして、術後のサルコペニアの有無や治療経過、血液検査所見などを解析し、運動トレーニングの妥当性を検証する。保険診療として行われる胃がん治療以外の臨床試験に関しては、参加者の費用負担はない。試験参加者の募集開始は9月1日を予定している。(大場真代)

 

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