HIVRNA量1,000copies/mL以上の未治療の成人HIV-1感染者を対象に
米Merck社は7月24日、「Isentress(R)HD」(一般名:ラルテグラビル)の主要な第3相臨床試験「ONCEMRK」における投与開始後96週時点の試験結果を発表した。同結果は、フランス・パリで開催された第9回国際エイズ学会(IAS 2017)のlate-breaking abstract sessionで発表された。
IsentressHDは、1日1回1,200mg投与のインテグラーゼ阻害剤。600mgのフィルムコート錠を1日1回、2錠経口投与する。現在、日本国内では、「アイセントレス(R)400mg」が発売されており、IsentressHD、Isentressチュアブル錠 、Isentress経口懸濁液は未承認。またIsentressHDは、米国外ではIsentress600mgとして販売されている。
ONCEMRK試験は、HIVRNA量1,000copies/mL以上の未治療の成人HIV-1感染者を対象に、IsentressHD1,200 mg(600mg錠×2)の1日1回投与の有効性および安全性を、1日2回投与のIsentress400mg(いずれもエムトリシタビン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩と併用投与)と比較検討するための第3相多施設共同二重盲検無作為化実薬対照比較試験。有効性の主要評価項目は、投与開始後48週時点でのHIV-1RNA量が40copies/mL未満となった患者の割合で、治療の継続予定期間は96週だった。非劣性マージンは10%ポイント。
薬剤耐性につながるウイルス学的変異、両群とも1%未満
96週時点のデータにおいて、HIV-1RNA量が40copies/mL未満となった患者の割合は、IsentressHD群531名で81.5%、Isentress群266名で80.1%。群間差は1.4%(95%信頼区間-4.4~7.3)だった。
CD4陽性T細胞数のベースラインからの増加は、2つの治療レジメンで同等で、IsentressHDでは平均261.6cells/mm3、1日2回投与のIsentressでは262.2 cells/mm3。有効性は、ベースライン時のウイルス量の高い患者(HIV-1 RNA>100,000copies/mL)など、さまざまな患者で一貫していたという。
投与中に薬剤耐性につながるウイルス学的変異が検出された患者は、両群とも1%未満で、96週目までにおいて、IsentressHD群では4/531例(0.8%)、アイセントレス群では2/266例(0.8%)。96週までに有害事象によって治療を中止した患者の割合は低く、IsentressHD群で1.3%、Isentress群で2.3%だった。
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・MSD株式会社 ニュースリリース