知識を得る場所によって保健行動と歯周病の有病率に差
岡山大学は7月28日、歯科医院で歯科に関する知識を得ることが良い歯科保健行動を促すこと、さらに歯周病の有病率にも影響を与える可能性があると発表した。一方で、学校やテレビで歯科に関する知識を得ても、必ずしも良い結果にはつながらないこともわかったという。
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この研究は、同大大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授と、岡山大学保健管理センターの岩崎良章教授らの共同研究グループによるもの。研究成果は米オンラインジャーナル「PLoS One」にて公開されている。
歯周病は、歯間ブラシやデンタルフロスを使うこと、定期的に歯科健診に行くことで予防できることが報告されている。これまで歯科に関する知識があることは、より良い歯科保健行動につながるとの報告があったが、その知識の情報源によっても歯科保健行動に差があるのかについての研究はなかったという。
30~40%の学生が学校・テレビから知識を得ていると回答
今回、研究グループは、2,220人を対象とした調査において、歯科医院で歯科に関する知識を得ている者とそうでない者を比較。その結果、前者は後者に比べ、1.49倍デンタルフロスを使用する傾向にあること、また、2.92倍定期的に歯科受診をしている傾向にあることがわかったという。デンタルフロスを使用している者や定期的に歯科受診をしている者では、歯周病ある者の割合が少なかったことから、歯科保健行動だけでなく、歯周病の有病率にも影響を及ぼしている可能性が考えられるとしている。
一方で、学校もしくはテレビから歯科に関する知識を得ている人は、そうでない人よりもそれぞれ0.69倍、0.71倍定期的に歯科受診をしている傾向にあった。これは、定期的な歯科受診をしない傾向にあるということ意味している。全回答のうち30~40%の学生が学校もしくはテレビから知識を得ていると回答しており、これらの情報源は良い保健行動を促すには効果的ではない可能性があるという。
今日では、さまざまな媒体から情報を得ることができるが、その情報源によって歯科保健行動に差がでること、そして歯周病の有病率にも影響を与える可能性が今回の研究から見えてきた。今後、情報の質を向上させることで、歯周病の予防に貢献できるかもしれない、と研究グループは述べている。
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・岡山大学 プレスリリース