シンバイオが2011年7月に導入
シンバイオ製薬株式会社は7月26日、同社が2011年7月にOnconova Therapeutics, Inc.(オンコノバ社)から導入した抗がん剤「rigosertib」(リゴセルチブ)について、主たる対象疾患候補である、小児のRAS関連疾患における評価実施のための多施設共同臨床研究プログラムの開始をオンコノバ社が発表したと公表した。
RAS関連疾患(RASopathy)は、遺伝子中の生殖細胞系列の変異が原因で起きる発生学的症候群。オンコノバ社は、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)と協力し、RAS関連疾患の小児患者対象に広範囲な臨床試験に取り組む計画だという。
RAS遺伝子変異を伴う若年性骨髄単球性白血病の臨床研究優先予定
オンコノバ社は、まず成人骨髄異形成症候群(MDS)と同様に、RAS遺伝子の変異を伴う若年性骨髄単球性白血病(JMML)の臨床研究を優先する予定。
MDSは、高い確率で急性骨髄性白血病(AML)への移行が見られる予後不良の難治性疾患。現在、優れた治療方法がなく、多くの患者が輸血に依存しており、新しい治療方法が切望されている。JMMLは、乳児期に発症することが多い小児の血液腫瘍の一種。国内では、年間約20例が発症すると推測されている。
シンバイオ製薬はオンコノバ社と協力し、進行中のMDSを対象としたrigosertib注射剤の第3相国際共同試験、同剤経口剤の第1相臨床試験を進めていくとしている。
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