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【厚労省検討会議】関節痛薬など4成分「妥当」、緊急避妊薬は「不可」と判断-スイッチ候補成分を評価

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2017年07月28日 AM10:45

厚生労働省の「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」は26日、既に要望が上がっていたスイッチOTC薬の候補となる5成分を評価した。ドライアイ薬「ヒアルロン酸ナトリウム」、急性胃炎薬「レバミド」、関節痛薬「メロキシカム」、アレルギー薬「フルチカゾンプロピオン酸エステル」の4成分については、スイッチ化が妥当とされたが、「レボノルゲストレル」については「不可」と判断された。今後、スイッチ化が見送られた「レボノルゲストレル」も含め、一般からの意見募集を実施。寄せられた意見をもとに、11月15日に開催予定の同会議でスイッチOTC化の妥当性を確認する。

スイッチOTC化の新スキームは、学会、団体、消費者などから随時候補成分を受け付け、医学会などの意見を聞いた上で、評価会議で一般用医薬品に転用することの妥当性を科学的に検証していくというもの。

ヒアルロン酸ナトリウムをOTCに転用する際に妥当とされた効能・効果は、目の乾き(涙液補助)、異物感(コロコロ、チクチクする感じ)、ソフトまたはハードコンタクトレンズを装着しているときの異物感(貼りつき感など)、疲れ、かすみ、目やに、充血など。「、角膜保護」の効能・効果については「不可」と判断された。

日本眼科学会などは、OTCとする際の留意事項として、1週間程度の使用でも改善が認められない場合の受診勧奨を薬剤師が行うことや、薬剤性角膜障害の発症を回避するために点眼液に防腐剤を使用しないことなどを示した。

レバミドの効能・効果は、胃潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善。

日本消化器病学会は、OTCとする際には効能・効果から「胃潰瘍」を除外すべきとし、日本臨床内科医会は、若年層の投与に注意すべきとの留意事項を示した。

メロキシカムの効能・効果は、関節痛、腰痛、肩こり痛。日本整形外科学会などは、OTCとする際には、1週間の投与を限度とし、改善が見られない場合は医療機関の受診を勧めるべきとした。

フルチカゾンプロピオン酸エステルの効能・効果は、花粉による季節性アレルギーの鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみの症状緩和。日本耳鼻咽喉科学会などは、OTCとする際には、1日の最大投与量を8噴霧とすることや、長期使用を行う場合の耳鼻咽喉科専門医の診察などを求めた。

スイッチ化が「不可」と判断された「レボノルゲストレル」は、日本産婦人科学会などがスイッチ化して薬局・ドラッグストアなどで販売できるようになれば、「意図しない妊娠の減少が期待される」としつつも、服用後に妊娠に成功したかどうかの自己判断や、薬局で薬剤師が説明することは現状では困難と思われるなどの理由から、「現状ではOTC化は妥当ではない」と判断。

OTCではなく、販売にあたって薬剤師のコンサルティングが要求されるBPC(Behind the pharmacy Counter)とすべきとの見解を示した。

複数の委員は、医療用から要指導薬に転用してしまうと、数年で第1類薬に移行し、インターネット販売が可能になってしまうことを懸念し、スイッチ化に慎重な姿勢を示した。

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